あくまの出る街

わたしの街には悪魔がでるの。すっごく怖い悪魔。子供を見つけたら食べちゃうの。

私のおかあさんもおとうさんもみぃーんな食べちゃった。

友達もひなんしてる。でも、仲がよかったあいちゃんも、たくみくんも、みんな、みぃーんな食べちゃった。

わたしはまだ生きてる。食べられてない。

でもいつか食べられちゃうんだ。

だからそれまでがんばろうと思ってる。

あ、あくまがきた!

あぶない、食べられちゃうところだった。

かくれなきゃ。

これで一安心・・・え?

後ろで「がさっ」って音がした。

この後ろに来てる!?

まだ、まだいける・・・よし。足音が聞こえなくなった。いまだ・・・

えいっ!

よかった、追いかけてこない・・・

あ、あいちゃん!?あいちゃんがいる!

「あいちゃん!」

答えない。どうしたんだろう?

もう一回いって顔をのぞいてみる。

それはあくまの顔だった。

あくまの出る街

あくまの出る街

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-27

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