いるかのほし最終回 62 いるかキーホルダー

いるかキーホルダー

 「今朝のニュースです。海岸に150頭近いイルカが、うちあげられているのが発見されました。」

 朝のテレビから、流れてきたニュース・・・。まっさきに反応したのは、オカキだった。

 「前の地震の1週間前にも、イルカが同じ浜に打ち上げられたはず・・・・。あと、1週間、気をつけなあかんな・・・。」

 イルカが、そんなにたくさん打ち上げられた・・・・・・。ピコもポコも、小耳にはさんだニュースに、あえて気持ちをあわせないようにしたのだけど、オカキの言葉に立ち止まった・・・・。いるかたち、どうしたんだろう・・・・・。

 また、地震が起こるかもしれない・・・・・。

 あおいほしは、生きてるんだもの・・・・。そりゃあ、たまには身震いだってするでしょうよ・・・・。

 地震そのものが、悪いわけではない・・・・・。ただ、前の地震は、被害が大きすぎた・・・・・。逃げれなかった人たち・・・・。倒れてしまう建物・・・・・・・。火災も、どうしようもない二次的な災害・・・・。

 もし、地震が起こっても、大難は小難に・・・・・・。大きな被害がでませんようにと、祈るような1週間をすごした。

 そして・・・・・。小さな地震がいくつか起こったのだけど、心配されたようなとんでもない災害を引き起こすようなものにはならなかった・・・・・・・。1週間がすぎ・・・、2週間がすぎ・・・・・・・・。

 ・・・・そして・・・・・、いつしか季節も、夏から秋へと変わっていった・・・・・。

 「ただいま~~!!」

 元気にクックが帰ってきた。

 「おかえり!!・・・・・・・、あれ、それなに??」

 クックの通学バックに、なにかぶら下がっている・・・・。ふんわりした、ちいさなぬいぐるみのマスコット・・。

 うん??青い?バナナ??
 ・・・・・、ひっくりかえすと・・・・・、わあ、いるかやん!!

 ライトブルーのラインストーンが、幾つか散りばめられた、かわいいイルカのマスコットキーホルダーだった。

 「これ、どうしたん??」

 「あ、これ??こないだの修学旅行のお土産。お姉ちゃんからやで。知らんかった??」

 ココが、こんなん買ってきてたんや・・・。知らなかった。

 「・・・・、でも、なんで?今、もうすぐ冬やで。いるかいうたら、夏なんちがうん??」
 「うん?まあ、そんなん、いいやん。気分気分!!」

 元気にゆれるいるかのキーホルダー・・・・。

 「・・・・・、それ、なんやろ・・・。イルカちゃんからの、合図やろか・・・・。」

 なんやろね・・・。なんで、今イルカのキーホルダーなんかなって。」

 いつもの、電話・・・・。すぐそばで聞こえるポコの声・・・・・・。
 
 「・・・・・!!もしかして・・・、いるかたち、あのとき浜辺に打ちあがったいるかたちからの、合図??私ら、元気やで~~って??」

 「・・・!!ええ!?・・・・・・・、ふう~~~ん・・・。合図・・・・・。そうかなあ・・・。わからんなあ・・・。
 でも、そうそう、最近、何気に見る時計の数字の並びが、すごいよ。1010、1111、1212、1313・・・・・。そんなタイミングで、なぜか時計を見てるんよ・・・・。不思議やろ・・・・。」

 「へえ~~~~。おもしろいね~~。」

 ・・・・・・・・、そんな電話のあとだった・・・。「わかった!!」ポコから届いたライン・・・・。

いるかのほし最終回 62 いるかキーホルダー

いるかのほし最終回 62 いるかキーホルダー

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-17

CC BY-NC-ND
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