多重人格
ある人は私に「多重人格だ」と冷静に言ってきた。
ある人は私に「可哀想に…」と哀れんできた。
ある人は私に「ざまぁみろ」と罵ってきた。
ある人は私に「多重人格だって、めずらしー!」と見世物を見るような目で見た。
ある人は私に「ぼくもだよ!」と共感してきた。
ある人は私に「それはどうやったのですか?」とまるでタネがあるかのように聞いてきた。
私は確かに言われた。だって頭の中にまだ響いているから。
でも誰が言ったかは思い出せない。
もしかして、この文を書いているのも私じゃないかもしれない。
でも、私は多重人格じゃない!
そう思って精神科医に相談した。
その精神科医は「多重人格ですね」といった。
当たり前だ。だって私の中に流れている声はすべて・・・
他の心の中の「わたし」が言った物なのだから。
多重人格