不死身

不死身。ホントにその力、ほしい?

わたしは不思議な力を手に入れた。

っていっても嬉しくない能力だけどね。

まぁ見てて。

今回は・・・お風呂がいいかしら。

入ろうとする。そのときだった。

ずるっ

きれいにこけた。頭をぶつけたらしい。血が出ている。脈を確認。動いていない。

・・・死んでいる。不意に後ろから声をかけられた。

「あ~あ、死んじゃった。」

たった今脈を確認した女の子だった。

これが私の能力。死にやすいけど不死身。いらないでしょ?

でも一つだけこの無限ループから解放される道があるの。聞きたい?

あのね?あなたと入れ替わるの。入れ替わり方は簡単。あなたに触れたまま死ねばいいの。

思い出した?そう、さっき。あなたに触れたでしょ?でも、あなたに触れたまま死んではいない。

だからね?一緒に逝ってほしいの。ようやく私の気持ちをわかってくれそうな人に出会えたの。

なにも一人でなんていってないわ。触れたままどっちも死ねばどっちも不死身になるの。私も一緒よ。

ようやく出会えたあなただから。これからはずっといっしょ。

そう、ずうっーーとね。

不死身

不死身

不思議な力を手に入れた一人の少女とそれに魅入られた男の話。短編の一話完結なので、騙されたと思って読んでみてください。

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-27

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