塵の中

ゴミの中の愛

砕けたビニール、欠けたタイル、灰色の冷蔵庫

遠くにクレーンが見える

濁った汁が滴るここは川の最終点

鳥が群れをなして飛んでいく

交わる事の無かった白と黒が

大きなパレットでごちゃ混ぜにされていく

君の求めた手をゆっくりと

差し出して

君の手のひらに重ねる

とても現実とは思えない

蜃気楼の様なここ

どこかで水の音がする

冷静の中それがずっと聞こえている

塵の中

塵の中

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-17

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