竜凪
遠浅のおくを覗いて
一凪の祈りがふってくる
神経が乱反射して
交錯の血管を深め
(先駆ける)なにもない顔の増殖たち
ひとすくいの槍となる
泡に込める緑色の再現
意味淫らに凪ぐ
水平線になにかが視えるでしょ?
淡く、泡立つもの
緑色の亡霊
私は形のない竜を調べている、
それを複雑に形成する
言葉を発して槍だと思い
連結する集合体を世界だと睨み
どれほどの香り/泡立ちを滅してきたか、
先立つ水彩は跡を濁して
瞳は残されたものからの後退に凪いでいる
私は形のない敗北を
ひとつの劣等感で濁している、
続きのない戦争を
意味だらけの日常で
海のきらめきで濁している
竜凪