いるかのほし 60 (さよならカルイ)ただいまいるか

(さよならカルイ)ただいまいるか

 朝になって・・・・・・。海の中に日が差してきたよ・・・・。

 ほら、いっしょにとうめいほしからやってきた、いるかたちが、あっちのほうから泳いできたよ・・・・。

 まず、はじめに同じ場所でいっしょだった6頭がやってきた・・・・。ぼくも合流するよ・・・・・。

 仲間たちは、どんどん増えていったよ・・・・。最後には、150頭、全部になったよ。

 久しぶり!!みんな、なんだかいい顔してる・・・。それぞれの宿題!!きっと、上手くいったんだね・・・。

 ぼくたちは、きゅきゅ、言いながら、わいわい笑いながら、大きな群れで、ぐんぐん泳いだよ。

 いつの間にか、ワタツミサンシンたちも、そばに来て、ぐんぐんいっしょに流れてる・・・。3層の海流が、笑ってる!!

 久しぶりに仲間と会って、ほんとにうれしくなってきたよ・・・・。

 ありがとう、ぼくの身体・・・・・。楽しかったなあ・・・・・。

 自分の素敵な身体とお別れするのが、とっても寂しかったけど・・・・・・・。でも、こればっかりは、仕方がないね・・・・・・・。

 ぼくたちは、ある浜辺を目指していたよ・・・。そこは、とっても大事な場所なんだって。
 
 ほら、ちょうどぼくたちが、とうめいいるかぼしにメモリーファイルを4重の輪で残してきたみたいに、そこに身体をのこしてゆくよ・・・・。ああ、ほんとにいっしょにもっていけたらいいのにね・・・。でも、しかたないね・・・。あおいほしの、物質なんだからね、外に持ち出せないんだ・・・・・。

 ぼくたちは、ぐんぐん泳ぐから、間もなく、その浜辺に近づいた・・・・。

 えっと・・・。どうするんだっけ・・・・?ぼくは、みんなのことを、きょろきょろ見回した・・・・。

いるかのほし 60 (さよならカルイ)ただいまいるか

いるかのほし 60 (さよならカルイ)ただいまいるか

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-15

CC BY-NC-ND
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