「好き」とは一体なんなのか
男の子と女の子が恋に落ちるお話。
「好き」とは一体なんなのか 4話
え、嘘だろ?あんなに探して見つからなかったのに、こんなあっさりと見つかってしまった。なんだか力が抜けて大きなため息をした。
教室にいる例の彼女は、こちらのことを睨んだかと思うとさらに睨みつけてきた。
「あの…その席僕の席なんだけど…」
恐る恐る話しかけてみた、なんだか機嫌が悪くなったのかよくわからないが、彼女は本を読みながら舌打ちをしてきたのだった。
…これは僕が悪いのだろうか、あそこまで怖いとさすがに心が折られる。ていうか、すでにズタボロだった。
「あの!返事、してください…」
思い切って声を出した、そして思い切りテンションが下がった。こう言ってみたものの、彼女の顔を見れない…そう、怖すぎて。
目線を彼女に戻すと目が合った、嗚呼終わりだ、この世の終わりだ。
お父さん、お母さんいつもありがとう、僕はもう旅立たなければならない。さような…
「なんだ、はっきり言えんじゃん。最初から声出せよ、ばーか」
「ば、馬鹿じゃないもんね!自慢じゃないけどこのクラスで1番頭いいんだぞ!!」
…………自慢じゃん……。めちゃくちゃ嫌そうな顔されてるし、僕もこんなこと言って恥ずかしいし…。
「ふふっ、このクラスだけかよ」
えっ、笑った…?笑ってるほうが全然素敵じゃないか、ていうかよく見たら…可愛い。
「…君は誰なの?名前は?クラスは?」
「な・い・しょ。知りたかったら、また来てよ。教えてあげるかもね」
胸の高まりが止まらない、なんだかこれから何か起きそうな予感がした。
「好き」とは一体なんなのか
読んでくれた方ありがとうございます。
これからも読んでくれると嬉しいです。