クロユリ
適当←
何も悪い事じゃない。
人を殺めて、生きている奴の方が悪い。
そうだ、そうに違いない。
きっと前世からの呪いなんだ。そうに違いない。
こいつは死ぬ運命だったんだ。そうに違いない。
だから、俺が殺したこいつも死ぬ運命だったんだ。 それは違う。
俺の足下に転がる死体の山。こいつら全員死ぬ運命だったんだ。それは違う。
じゃぁ、あそこで立ってる少女は何だろう?
俺は、この家の全員を殺した筈なんだが?
俺の家族を殺したこいつらを、一人残さず。
ねぇ、君は誰?
少女が何か呟いた。
どうせ、穢れた家の小娘だ。殺しても問題無い。それは違う。
あぁ、そういえば、少女が何か抱えてる。
おや、それは、人形じゃ無いか。
どこかで見たな、その人形。そうに違いない。
それは、俺が送った爆弾付きの・・・。そうに違いない。
その日。
家を一軒吹き飛ばした爆弾の側に、クロユリが一房落ちていた。
クロユリ
→適当