クロユリ

適当←

何も悪い事じゃない。
人を殺めて、生きている奴の方が悪い。

そうだ、そうに違いない。

きっと前世からの呪いなんだ。そうに違いない。

こいつは死ぬ運命だったんだ。そうに違いない。

だから、俺が殺したこいつも死ぬ運命だったんだ。 それは違う。

俺の足下に転がる死体の山。こいつら全員死ぬ運命だったんだ。それは違う。



じゃぁ、あそこで立ってる少女は何だろう?
俺は、この家の全員を殺した筈なんだが?

俺の家族を殺したこいつらを、一人残さず。


ねぇ、君は誰?

少女が何か呟いた。

どうせ、穢れた家の小娘だ。殺しても問題無い。それは違う。

あぁ、そういえば、少女が何か抱えてる。

おや、それは、人形じゃ無いか。


どこかで見たな、その人形。そうに違いない。

それは、俺が送った爆弾付きの・・・。そうに違いない。



その日。
家を一軒吹き飛ばした爆弾の側に、クロユリが一房落ちていた。

クロユリ

→適当

クロユリ

→適当←

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-27

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