いるかのほし 59 カルイかえる 2

カルイかえる

 「いま、あおいほしは、そろそろ順番にずるずると脱皮をはじめようとしておる・・・・。そのために、いろいろなことが起こっておるんじゃ・・・・・。地震もそうじゃ・・・・。あれは、文字どおりぶるぶると身震いじゃな・・・・。

 それでじゃ、その地震じゃがの、あんまり大きく揺れすぎると、いかんのじゃ・・・。地上のにんげんたちに害が及ぶからの・・・・・。ちょうどよいくらいの、身震いになるように、調節の手伝いしながら、帰ってきてほしいのじゃ・・・・・。」

 へえ・・・。ぼくたちに、そんなことができるんだね・・・。

 「そうじゃよ、その、あおいほしのいるかの身体はの、こっちから見たら、大きな大きなアンテナであり、磁石であり、エネルギーなんじゃ・・・・。たくさんの物質で組みあがった最高傑作じゃ・・・。その身体を、手放すときに、いるかたちが一斉にある方向に泳ぐと・・・・。あおいほしの磁場がひっぱられるんじゃ・・・・。一斉にたくさんのいるかが、同じ方向に泳ぐと、そこにエネルギーの軌跡が生まれて、磁場の道になるおる・・・・。その磁場の道は、ここ、とうめいいるかのほしにつながる道じゃ・・・・・。また、ここへ帰ってからも、あおいほしを引っ張って、脱皮を助けるのに役立つのじゃ・・・・。」

 ・・・・・・ふう~~~~ん。エネルギーかあ・・・。わかるよ、この身体、とっても素敵だもの・・・・・・。

 ・・・・・、ああ、でも、ちょっと寂しいな・・・・。もうちょっと居たかった・・・・。大好きさ・・・。あおいほし・・・・・・・。

 「ではの、出発は、明日じゃ・・・・・・。なかまのいるかが迎えに行くからの・・・・・・・・。」

 ・・・・・・・・・、最後のGGの言葉、ぼくは、あんまり聞きたくなかったな・・・・・・・・。ぼんやりと、夜の海にあおむけになって浮かんでると、そばにウミガメさんがやってきた・・・・・・。

 「腹見せて泳ぐいるかは、カルイくらいのもんだあなあ~~~~~~。おまえさん、いっちまうのかああ~~~~~~~。」

 「うんうん、ウミガメさん・・・。あとは頼んだよ・・・・。オカキにも、会ったでしょ・・・・。ピコがね、会いたがってるよ・・・。」

 ぼくは、関係ないこととか、色々しゃべって、でも、しゃべってるうちに、楽しくなってきたの・・・・・。・・・・そうだよ、ここにいても、とうめいほしに帰っても、同じだよ・・・。だって、ピコもポコも、もう友達なんだから・・・・!!

いるかのほし 59 カルイかえる 2

いるかのほし 59 カルイかえる 2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-14

CC BY-NC-ND
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