どこ

一人の少女

うったえ続けた


君はどこ?

私はずっと探しているのに

面影すらないんだ


もうわからない

私はどこ・・・・・・?



* * * * * * * * * * *


張り紙

ビラ配り


まわりの大人たちは

まるで私が見えていないみたい


大人なんてこんなもの

私はいいの

ときには差し伸べてくれた“偽りの手”

それは、とってもくだらない親切

そいつらは、

君のきれいな顔写真がのった紙を

あたかもごみのように

踏みにじっていくの



* * * * * * * * * * * *


「そんなくだらないことやめなさい」

母親が言った


馬鹿じゃないの


私の衝動で

服が真っ赤に染まったわ


知ってるわよ


私に心がないことくらい

でも、

あんなくだらない人間になりたくないの



* * * * * * * * * * * * *



あなたのお母さん、お父さんのところへ行ったわ


「迷惑かけてごめんなさい」

・・・・・・だって

私の頭の中で変換したわ

迷惑→やめる→やめてもいい→どうでもいい


違う?

違うならごめんなさい


でも、私には許せなかった

言い訳として受け取ってね


* * * * * * * * * *


ねぇ・・・・・・どう思う?

今じゃ私を殺人鬼よばわりするの


あんな大人たちのほうが、

立派な殺人罪よ



ちょっと良いお知らせ

君の骨が見つかったって


アリガト

また言い訳、できたの


こんな世界、

私は知らないから


だから、あなたのところへ追いつくの


夢を持たせてよ

どこ

これが、今の人間、大人たちの

現状だと思います


それを、ずっと訴え続けていきたいですね

どこ

私に罪などないのよ・・・・・・違う?

  • 小説
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-27

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