偽物

なんか寒いな。

火をつけよう。

うん、おっきく燃えた。

でもなんかものたりないなぁ・・・

そうだ。灯油を注ごう。ストーブと一緒だね

ワタシの家がおっきく燃えてる。あったかいなぁ。

静かでいいな。お父さんとお母さんみたいな声が聞こえるけど偽物だよね。

本物のお父さんはお金を巻き上げたりしない。

ほんとのお母さんは弁当に砂入れたりしない。

うん、偽物だ。

・・・うるさいなぁ。サイレンの音が聞こえる。せっかく温まってたのに。

そうだ。一緒に温まる?

・・・どう?あったかい?消防車が真っ赤になってる。

皆あったかそうでいいな。

ワタシもあったかくなろうかな?

いいね。

そういって灯油をかぶるのだった。

偽物

偽物

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-27

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