日々のこと 2

2月

夏は好きではない。

生まれたのが11月ということもあるのか、好きな季節は秋。

夏は騒々しいイメージ。

昼の時間が長くて、外にいつまでも人がいる。
虫の声。

窓を開けたままなので、いつもより外の騒音が耳につく。

夜更けでも、若者の素っ頓狂な笑い声が響いたりする。
夜中過ぎまで飲んで歩いた勢いで、数人で歩いている・・・という感じ。

汗をかくのも嫌い。

日焼けも嫌い。

なので、冬の間に話を戻そう。

2月。
また豪雪地の家に滞在した。
除雪が主な目的。

風邪をひいて、その後咳がついた。
この頃は風邪からの咳喘息というパターンになりやすい。

これが3ヵ月も続く。
一度は仕事の面接を予約などもしたが、どうにも声が出ないし、少し喋ると咳き込むので、これでは無理だな・・・と思って予約もキャンセルした。

昨年の12月までは働いていたので、風邪をひかなければすぐにまた復帰していたかもしれない。

躓いたまま、もう7ヶ月仕事をしていない。


冬の豪雪地帯の雪は、本当に侮れない。
一度、その地区でも滅多にない大雪の時に居合わせたことがある。

夜の間に積もった雪が、起きたら車をほぼ埋め隠すほどになっていた。
一度除雪をしても、すぐにまた同じくらい積もる勢いだった。

道路の除雪も当然追いつかないのか、普段なら夜の間に積もった雪は早朝除雪車が通って通行に支障のないようにしていくのが、いつまでも除雪に来ない。

仕方なくその日も帰らず滞在しようと思ったが、このまま降り続けるなら敷地内から脱出することすら無理になったり、停電の恐れもある。
冬に停電されては、暖房も使えない。

迷っていたら、除雪車が通って行った。
今がチャンス!と多少の無謀は自覚しながら、荷物をまとめて車を出した。

ホワイトアウト。

道路がどこまでなのか、道路の両脇に積まれた雪の壁がどこからなのか、まったくわからない。
雪の壁から突き出たポールが唯一の目印だが、ワイパーも聞かないほどの降雪の中では、ともすると見失いそうになる。

やはり無理だったか・・・と後悔の気持ちもよぎるが、もう引き返すのもと強いて前進した。

町の中心部に辿りついたら、かなり道路も広く視界も開けてきた。
少なくともどこまでが道路なのかはわかる。

ホッと一息。

その後もすぐに雪が着氷して見えなくなるサイドミラーを、車を停めては雪を掻き落として・・・の繰り返しで進んだ。
ワイパーで脇に寄せられた雪もどんどん視界を狭くする。
これも落とした。
車の除雪道具を2本積んであったのは幸いだった。

何事もなく済んだので言えることだけれど、あれは貴重な経験だった。

豪雪地帯をみくびってはいけない。
と、つくづく思った。

日々のこと 2

日々のこと 2

敢えて寒い季節の事

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-13

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