いるかのほし 58 カルイかえる

カルイかえる

 ぽわ~~~ん・・・・・しゅい~~~~~ん・・・・・・・。ぶくぶくぶく・・・・・・・・・・・・・。
 カルイの周りの海が、ざわざわ笑っているみたいに、小さくうねっている・・・・。

 ぼくは、まだ、ポコの住む町に一番近い海にいて、ゆっくりごきげんに、泳いでいる・・・・・。

 ぼくの、おなか・・・・。甘いおなか・・・・・・・。

 あおいほしの、海の中で、さかさまになって漂ってみる・・・・・。ピコとポコのことを、思い出しながら・・・・・・。

 ・・・・・、ああ、ピコとポコも、ぼくのこと、かんがえてるね・・・・。「ほ~~~~~いい!!ほ~~~~いい!!いるよ~~。」
 こころのなかで、返事するよ・・・・・。

 しゅるしゅる~~~~と、ひれのあいだを、海水が通ってゆく・・・・。・・・・こそばゆいな・・・。

 ぴゅい~~~~んと、背びれで、水を切る・・・・・・・。きもちいい!!わらわらわらわら・・・・・・。海の水も、返事する・・・・。

 あおいほし、ぼくはやっぱり、ケルプしか食べられないけど、この海、大好きだなあ・・・・・・。

 ・・・・・・・、ピコもポコも、今まで知ってた世界の他にも、なんだかわからないけど、おかしいたのしい見えない世界があるんだ、きっと・・・・・、って、もうそれは疑う余地なく、思ってくれている・・・・・・。
何年もかけて、家族の中でいろいろ感じながら、それぞれに準備してたんだもんね・・・。ぼくは、最後、ちょっとしたきっかけの一押しのために、GGに言われて、ここに来たんだ・・・・・・・。

 ポコには、実際には会えなかったけど、ピコには、ホントに会えたんだもん・・・・・。
   ・・・・・、よかったな・・・・・・・・。

 ぼくが、うとうとうっとりしているとね・・・・・・。
 ぴゅろろろろ~~~~~~~~~~~~。久しぶりにGGの通信がとどいたよ・・・・・。

 「カルイ、よかったぞな・・・・・。しっかりお役をはたしてくれたの・・・・・・・・。よくやったの・・・。よくやったの・・・・。」

 うんうん、褒めてもらえるんだね。あれで、よかったんだね、GG・・・・・・。

 「2人は、もうおまえさんのともだちじゃぞ・・・・。見えなくても、自分に届く何かメッセージがあると、ちゃんとまるごと理解してくれたからの・・・・・。ピコはの、ウミガメにもあいたかったんじゃ・・・・。イルカツアーが思っていたのと少し違うかったから、残念に思っているようじゃ・・・・。まだ、少し、自分の道を探しておるからの・・・・。それだから毎日、こっちからの応援のウインクを送ることにしたぞよ・・・・。ちょっとした、合言葉みたいなもんじゃ・・・・。」

 ・・・へえ!!なんだろ・・・・。楽しいね、見えないけど、見えるウインク!!

 「ポコはの、きっと、もうすぐしたら、おまえさんの話しを書き始めるぞよ・・・・・・。そうやって、また進んでゆけるんじゃの・・・・・。」

 へえ、ポコが??ぼくのこと??・・・。そっかあ、実際には会えなかったから、そのぶんこころの中で自由に空想できるもんね・・・・。
 ポコ・・・・・、ぼくのこと、絶対カッコよく書いてよ~~~!!

 「さあ、カルイよ・・・・。そろそろじゃが、おまえさんに帰ってきてもらう時間が、近づいてきたぞよ・・・・・。」

 ・・・・・、ああ、そうだね・・・。ぼくがここでできること、ぼくの宿題、ピコポコといっしょに、もうできたんだからね・・・・・。

 GGは、ぼくがいつ、どうやって帰るのかを、説明しはじめたよ・・・。

いるかのほし 58 カルイかえる

いるかのほし 58 カルイかえる

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-13

CC BY-NC-ND
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