ネット殺人

ネット社会に依存した女の末路

わたしは昨日人を殺した。

むしゃくしゃしてたからだ。

でも大丈夫。親も担任も全員信じられないけどネットの仲間だけは信じられる。

唯一の居場所。

画面を見てる時だけ心が安らぐ。

親はどっかいった。

でもそういう人だけが集まるとこだから。

わたしは「仲間」のためなら言われたことはやる。

万引きだって強盗だって人殺しもした。

みんなに「やって」って言われたから。

悪いことをすることでみんなと繋がってる気がしたから。

これをみんなは「ゲーム」だといった。

そう言われると何も怖くなくなった。

人殺すゲームと同じなんだ。フラッシュゲームでもそんなのあるじゃないか。

わたしは祖父を殺した。「あんまりネット上のひとは信じられんから・・・」が口癖だったからだ。

友達を、いや家族を侮辱した。

それにみんなは家族がいないのだ。私だけ肉親がいたら不公平じゃないか。

殺すから。しっかりと。侮辱するのは許さない。

ああ、やっぱりここが私の居場所なんだ。

たまたま電報漏れで私に間違った電報が届いた。どれどれ・・・?

「あいつってさ、かわいそうだよな。おれら家族もいるしリア友でリア充なのに。人殺しとかありえねーw」

「確かにwまぁいいけど明日何時にカラオケ行く?あすかとかも誘うかー。もちろんこのチャットの仲間もww可哀想な人は抜きで」

う・・・そ・・・

最初から裏切られてたのか?いや、そんなはずは・・・

震える手で書き込みをした。

「ほんとなの?知り合いって・・・」

予想外の返事が返ってきた。

「そうだけど?てか電報見てたの?さいてー」

「引くわー別のチャット行こうぜ」

「そうだな」

許さない。私を怒らせた。友達だと思ってたのに・・・。

友達を殺すのもゲームだ。なんにも怖くない。こいつらは私の知ってる仲間じゃない。偽物なんだ・・・

気がつくと「元仲間」の家で包丁を持ったまま血まみれになっていた・・・

ネット殺人

こんな人も出てくるんじゃないかと不安になります。気を付けたいです。

ネット殺人

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-26

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