Mermaid

この胸を焦がす痛み 声にならない声
見上げる一筋の光 手を伸ばして…

いつだって自由だった 何も知らなかった愚かな私
自由という籠に閉じ込められ 縛られている事にさえ

きっと叶うと信じて秘めぬ隠せぬ恋心
初めて貴方に逢えたあの日

まるで身体は燃え上がり 水底で見た炎
その名を覚えた日 陽だまりの中へ…

夢心地きっと無防備ね でも何も恐れないと決めた
心のまま素直に見つめる()() 高鳴る鼓動抑えて

分かり合える言葉も会話もなくて平気
そう信じたかったのは誰?

揺らめく水面シルエット 深く沈んで消えた
もう離さないから ずっと一緒よ

例えば私と貴方が同じ人間だったら
こんなに冷たい結末は迎えなかったの?
もう何も奏でない貴方の心 引き摺り込む
傍にいても温もりを感じない 愛しい貴方

深海へとゆるり誘う君は 消えた声で歌う今夜
命尽きても傍らで そう離れやしないさ…

Mermaid

Mermaid

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-10

Copyrighted
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