線
自由の大地は
ひらひらと振るてのひらは
いつか蝶になる
ゆっくり登るけもの道
山を眺めればいくつもの筋
雲と霧がまざりふわふわと
幼子のように遊ぶ龍
虹が柱になり地面から生えている
つくしみたいに
その虹の向こうに
ステンドグラスでできた虹が
氷みたいな音を放つ
大地は7色に染まり
朝と昼と夜の陽光が
刻まれた
雨音
目が曇ると花をまっすぐに見ることができない
レンズではない
眼球の中の透明度のこと
醜い自分しか見えなくなるとき
それが言い訳だと知る
私が大切にしていた誠実の火
いつのまにか虫の息
ここにいたのかわたし
これが噂の等身大
大きくも小さくもない私
欠点を書いた付箋で顔も見えない
初めて見たその姿はつまらない
見たくもなかったよ
だけど妙に安心する気持ちがこみあげた
地に着けた足がやけに心地よく
つまらない自分が居心地よく
1枚、付箋をはがしてみる
書いてあることをひとつやってみた
人の話を真剣に聴く、てやつ
やってみるとパワーがいる
いかに人の話を聞いていなかったかがよくわかる
父の母の人生が
周りの人の気持ちが
私が見えていなかったものが
ヒリヒリと泣いていた気持ちに
温かいお茶のようにしみた
あなたとの会話
右にも左にも間違えているような
前にも後ろへもいけないような瞬間が来る
間違えてばかりだけど
大切なものは大切だから
今日を愛して生きることを考えていたい
風
風が吹いている
星が合間に少し見える
風が髪をさらう
私の中を風がぬけていく
夏の入口
君に出会った感謝を
形にして
美しいものとして
目に見える形にして
返せたらいいな
君の音が
全身に
聴こえた
あの日から
ずいぶん遠くまできた
変わらず美味しい珈琲
変わりゆく季節
去年の今頃は
君とまだ出会っていなかった
日々に感謝
az real
az real
借りていたので返そうと思うこの名
私の名前
月と太陽
足りないものを数えるのは休み
いまあるものを数える
庭で遊ぶ子らを見ながら
ともに土に触れて
陽射しはまぶしく
私を焦がし
線