いるかのほし56 こんにちは?・・・!ああ・・!2

こんにちは?・・・!ああ・・!2

 「夫さんは、幸せなんですよ・・・・・、」

 ポコは、帰りのバスの中で、何度もヤヤさんが伝えてくれた、いるかちゃんの言葉をかみしめていた・・・。

 ・・・・・・、そっかぁ・・・・・。幸せなんだわ・・・・・。

 理由なく、ホントに心底、そうだと思えたのは、なんでなのかな・・・・。

 他の誰かが、もしくは、自分もどこかで、「あのひとは、あれが楽しいんだ。」って思わないわけでは、なかったと思うのに、なぜ、今、こんなにも、ホントだと思うんだろう・・・・・。

 ・・・・・・・・、周波数・・・・・。そんな、言葉が浮かんでくる・・・・・。トーンとでも言うのかな・・・・・。自分の心が開いていて、そこに、ストンと落ちてきた、「ことば」サプリ・・・・・・・。口当たりのいい、ゼリーにくるまれて、つるんと落ちてきて、そこから、身体の中で、きもちよ~~く解けていく・・・・・・・。やさしく、明るく、軽く、きれいな振動で、まるで生きているみたいな「ことば」の不思議・・・・・・。

 これが、いるかちゃんかあ・・・・・・・・。

 実際見えないし、話しているのは、にんげんのヤヤさん・・・・・。でも、いるかのキャラクターの時のヤヤさんは、浮世離れした素直さと、底抜けに屈託がなくて・・・・・・。なんとか、伝えたいって、一生懸命だった・・・・。初めて会った私にだけど、下心なくて、一生懸命ってことには、疑う余地がなかった・・・。

 「もう、お話ししてもいいですか?」ってヤヤさんが、いるかちゃんになった時、「うわあ~~~~。」って心がぶるぶるしたなあ・・・・。こんなに、簡単に出てきてくれるんだ・・。ほんとに、いるかちゃんだ、って思っちゃったなあ・・・・・・・。

 結局、見えないものを、自分は見ることはないだろう・・・・・。でも、どちらにせよ、形があろうがなかろうが、どっちでもいいような気がした・・・・・。あの、明るい軽いやさしいトーン・・・。そこと、実際海にいるイルカの、あのスマイルは、確かにつながる気がする・・・・・・・。

 「どうか、私に、見えないものを見る力をください。」って真剣に願ったとしたら、もしかして、何か見えたりするのかもしれない・・・・。でも、やっぱりそれは、自分の役目じゃない・・・。ポコは、そう思う・・・・・。いる、いない、見える、見えない・・・・。それは、その担当の人に任せればいい・・・・・。自分にとって、要は、何をどう、とらえて、どこに進むのか・・・・・・・。進めるとしたら、見える見えないは、関係ないな・・・・・・・・。ポコは、でも、「いるかちゃんが大好きな自分」がいることは、目に見えて、確かなことだって思っていた・・・・。

いるかのほし56 こんにちは?・・・!ああ・・!2

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-09

CC BY-NC-ND
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