あの校庭、この教室

少しシリアスな学園もの


トイレに響く、笑い声

その的は、僕の大切な“友達”


でも、

一言かけられない僕って

なんなんだろ



* * * * * * * * * * *


「綺麗だね」

二人で一緒に見た、屋上からの空


「お腹すいたぁー」

一緒に食べたお弁当


友達と思い出作り


それの、何がイケナイの?




「ぶっさいくーーww」

お前らのほうが、何倍も


「うわっ きたなっwww」

鏡見てから言ったら?



ちょっと顔がいいから

いじめの的は俺じゃなくて、俺の友達


なんて不条理なんだろう



でも、君も嫌いでしょう? 俺のこと

あいつらよりも


いつも君から見える景色、


笑うあいつら、

裏でクスクス笑うクラスメイト、

財閥の娘たちにおびえて、一言も発さない先公ら、


何も言えず、真っ直ぐ見つめてくる、俺



* * * * * * * * * * * * * * *


「逃げようか」


やっと言えた


けれど、疑問系ってこと、笑っていいよ


「ふふっ いいよ」

傷だらけの腕で頬づえをつく君



「・・・・・・うるさいよ」



初めての反抗

やっとデビューできました



手を引っ張って、屋上からジャンプ

あの校庭、この教室

こんな人たちが

一人でもいなくなったらな

あの校庭、この教室

これを読んで、 何か、心につまれば それでいいんです

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-26

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