ムカシノオハナシ

よかったら読んでください


私の今のこの感情も

来世には、「昔」として

語られるのでしょうね・・・・・・


* * * * * * * * * *


「馬鹿ものっ」

ふふっ

私は馬鹿よ? 当たり前じゃない

まぁ

こんな父親よりはましよ


金のためなら妻も売る

こんなヤツに馬鹿って言われてる私

もう馬鹿馬鹿しくて


片腹痛いのをおさえながら

こんなヤツの話聞いてる私、

もうちょっとほめてもらいたいわ


今日、私は、人を2人殺した



私も、何度も後悔したわ

でも、考えたのよ


“私の父親は、何人の人を殺したのだろう”って


* * * * * * * * * * * * * * *


友達なんかできなかった

寺子屋では

先生にも、痛い目で見られて


なぜだろうって


私が、何回枕を濡らしたと思う?



理由などわからなかったの



でも、いつもそうよ

私には、何も教えられないのよ


僕(しもべ)にも

ゆういつ優しくしてくれた叔父にも


母にも


もちろん、さっき私を殴った“ヤツ”にもね



でも、やっぱりそんなひどい世の中じゃないの

“裕也”は、私の唯一愛した人

そして、唯一私を愛してくれた人


私を殺しなさいよ

何度も思ったの

裕也の姿、言葉

今でも、何度も見える、聞こえてくるの


「もう・・・・・・いいわよね?」



ダレに聞いた訳でもないの


けど、誰か、答えてくれた



「好きにしなさい」


初めて、

人に“ゆるされた”気がした


でも、それもおかしいのよ



スベテガオカシイ・・・・・・・・・・・




* * * * * * * * * * *



塀の中


「可哀想」

聞き飽きたわ、その言葉



でも、幸せよ?




“ムカシノオハナシとしては上出来でしょう?”

ムカシノオハナシ

たまには和ものもいいものですね

ムカシノオハナシ

みんな「昔」っていうけど 私たちのこの時間も 未来では「昔」だよ

  • 小説
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  • ファンタジー
  • 青春
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-26

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