初恋~「ずっと前から好きだったんだ」~
恋愛小説です。初めての小説で、うまくはないですが、読んでいただけると嬉しいです。
愛の唄
「~~~~~~~~♪」
1年前におかあさんが亡くなってから、私はずっとこの唄を歌っています。毎日毎日、おかあさんが眠るこの場所
で。
この唄は、おかあさんが作った唄なんです。歌を作るのが趣味だったおかあさんが、最後に作った唄。私しか知
らない、名もない唄。もし、将来誰か好きな人ができたときには、この唄をプレゼントしたいです。そのときには、
この唄にも「名前」をつけてあげなきゃね。
「君と出会えたことが奇跡で それ以上は何も求めないから もしもこの想いが君と同じなら
~~~~~~~♪」
「私はだれに、この唄をあげるのかな…そんな人、できるのかな……」
出会い
五年後、春…
きれいな校舎、おっきなグラウンド、夢にまで見た景色…!
このたび、私、西川 愛夢(にしかわ あいむ)は高校生になりました!ずっと楽しみにしてた高校生活、今日から
スタートです!
「高校生かぁ…今年こそは好きな人できるかなぁ…?」
実は私、生まれてから15年間、好きな人ができたことがありません。悲しく過ぎていった中学校の3年間……
今思えばなんとむなしいことだったか……!!高校ではあま~い恋をしてやるんだからっ!!
「……よしっ!」
そう意気込み一歩踏み出そうとした瞬間…
ドンッ…!
誰かにぶつかったみたいです。
「す、すみません!…って、うわぁぁ!!」
!!!!!いったぁ~~~って…あれ?痛くない…
「君、大丈夫?」
「…へっ…?」
私を支えてくれていたのは、ものすごいイケメンさん。…いや、かわいい系かな?
「怪我とかしてない?」
「…っ///は、はい…!」
ヤッバイ…これは……
「じゃぁ、もぉ行くから。気を付けてね」
「はい、ありがとうございました…」
まさか、まさか……
「恋……しちゃったかも…//////」
高校生活1日目、恋ははやくも訪れたのでした。
噂
すっごいかっこよかったなぁ、あの人…
〈…む…い………愛…〉
名前、聞いとくんだった…
「愛夢ってば!!!!」
「はっはいっっっ!!」
「もぉ~、なにボ~っとしてんのよ!私たち同じクラスだって!早く行かなきゃ遅刻しちゃうよっ!」
……あれ?そぉいえば周りに誰もいない…
…ん??……
「えっ!?和奈一緒のクラスなの!?」
「そおだよ、さっきから言ってんじゃん!もぉ~~」
この子は佐倉 和奈(さくら かずな)、私の大親友で、中学一年からずっと同じクラスだ。
「よかったぁ、知ってる人がいて……」
「早く行こうよ!…あ、そうそう、やっぱ一度は話してみたいよね!先輩と!!」
「…??何の話?」
先輩…?誰のことよ…
「えっ、知らないの!?イケメン先輩のことっ!!」
「イケメン先輩?」
「この学校の3年生で、金髪、伊達メガネのめっちゃかっこいい先輩のこと!」
「ふ~~ん…」
金髪で伊達メガネ、イケメンねぇ~~
………ちょっと待って!それってさっきの人のこと!?
「わ、私、その人に会ったかも…」
「嘘!?いつ、どこで会ったの!?!?」
「ぅわぁぁ!うるさいよ、もぉ!えっと、さっき私が転びかけて、そしたらその先輩が支えてくれたの。」
「いいなぁっ!私も会いたかった!」
まさか、あの人が噂の先輩だったとは……
キーーンコーーンカーーンコーーン
「「げっ、やばっ!!」」
初日から遅刻とか、最悪~~!!
「あの子、たしかあの時の……」
初恋~「ずっと前から好きだったんだ」~