王道ラブコメなんて信じない1

いつも通りHRを終えクラスの誰よりも早く教室を出てそのまま駅前の本屋向かう。
それが俺の日課であり、それが俺『星宮海斗』だ。
「新巻出てる…買うか…ん?」
俺が本を取ろうとしたら手が重なる。チラリと横を見ると眼鏡をかけて俺と同じ高校の制服を着た女がいた。
「あっ、す、すいませんその本好きなんですか?」
「好きだけどアンタ誰?」
「同じクラスの吉岡ですけど…。知らないんですか?」
思い出したこいつは『吉岡要』だ。うちのクラスで学級委員長をやってる奴だっけ?
とりあえずメガネだし真面目だから委員長と呼ぶとしよう。
「えっと、委員長?だっけ?てか、そんなことはどうでもいいよ。何でここに?」
「私は『神様は常に退屈』の新刊を買いにきたんですけど、星宮君も買いに来たんですか?」
『神様は常に退屈』は四畳半の部屋で四神がグータラまったりとしている誰得なんだという漫画なんだが、これが面白いのなんの。最近アニメ化してますます人気になってきている。
「まぁ、そうだけど委員長も買いに来たのか?」
「そうです。ここで話してるのもなんですし下の階にあるファミレスで話しませんか?」
「そうだな。じゃ、移動するか」
俺はこの後に起こる面倒事に巻き込まれるなんてこの時は、思ってもいなかった。

王道ラブコメなんて信じない1

王道ラブコメなんて信じない1

ひねくれ者とその仲間達が起こす不思議な物語

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-06

CC BY-NC-ND
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