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伝えたいことなんて本当は何もなかった

する事もなく
なすすべも無く

ただ誰かの人生を自分の人生にすり替えて
アラサーという現実を踏み倒す
だってわたしは唯一無二の存在になりたかった

誰のものにもなれないから
永遠の中二病

自分から出られないまま
大人になりすぎた
愛されたい気持ちを許すこともできず
内側から確かに蝕まれていく

どうせなら鮫になりたい
ぎりぎり魚類として
潔く死にたかった

どこまでも終わることのない
意味のない不安から逃げることもできずに
今日も目を開けたまま夢を見ている

舌に残るオレンジジュースの味が
私を唯一繋いでいる
世界なんて、いらなかった


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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-06

Copyrighted
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