星の中の二人
公園のベンチ
星を眺めていた少女
ある少年は、すべてを悟っていた・・・・・・
後悔?
そんなもの、とっくに飽きてしまった
悔やむくらいなら、誰にでもできるんだ
悔やむだけなら・・・・・・
* * * * * * * * *
たったそれだけのコト?
そうかも
ほんと、笑っちゃうよね
「星、好き?」
思わず「わっ」と声が漏れた
“人”が嫌いな私には、レベルの高すぎる話しかけ方だった
「うちの庭、来て」
さっきの質問に小さく頷いただけの私に
命令口調で手をつかむ、彼
怖い、怖い、怖い
脳にどんどん変換されていく言葉
むしろ、その言葉しか浮かばない
トサッ
怖すぎて、座り込んじゃった
「大丈夫?」
降ってくる言葉をただ待ってた
「早く 朝になっちゃう」
思いがけない言葉に、
私の大切な鍵が解けてしまったんだ・・・・・・
* * * * * * * * * * * *
綺麗
そんな二文字じゃ終わらない
「ふふっ」
彼は、微笑みながら、
私の反応を楽しんでいるみたい
「おとめ座・・・・・・」
はっ と気づいた頃にはもう遅い
「・・・・・・話、聞こうか?」
気づいたら、涙
* * * * * * * * * * * * *
すべて話してしまった
母がいなくなった
父も、どんどん壊れていった
みんなも、どんどん壊れていった・・・・・・
というより、みんなは、私が壊してしまった・・・・・・
全部わかっちゃうんだ、この人
じゃあ、もうわかってるのかな・・・・・・?
「俺、毎日君のところへ行く」
やっぱりわかってた・・・・・・
* * * * * * * * * * * * * *
病室からの眺め
澄んだ空
あらためて見ると、綺麗かも
私も、あんな綺麗になれたらな・・・・・・
コンコンッ
・・・・・・あの人と、一緒に
星の中の二人
おとめ座の神話・・・・・・
ある昔、神様たちは、人間とともに、和やかに暮らしていた
しかし
次第に、悪から逃れるために、天へ上り暮らすようになった
最後にのぼっていった神、それはおとめ座
どんなことを思い、天の上へ昇ったのでしょう?