君の見つめるその先に 【あとがき小話集その3】
※【スピンオフ2】の裏話・裏設定になりますので、
ネタバレ要素あります。
【スピンオフ2】 ~ 5文字を伝えに駆けてゆく ~
スピンオフの1でサカキが幸せになったので、次はリンコお前だ!と
張り切ってみたものの、 ”恋をする ”よりまず片付けておかなきゃいけない問題が
あるんじゃないか・・・と。
彼女のココロにぐっさり刺さった棘を、まず抜いてからじゃないとダメだと思い
丁度 ”聞き上手 ”なよっし~部長が登場したことだし・・・と構想を練りました。
サクラとリンコが休日にスタバでお茶している所に、偶然ヨシナガとバッタリ会う
ところから物語ははじまります。
友達の友達に会った時の、”自分以外のふたりは盛り上がってるけどコッチの
取り残され感たるや ”みたいなのが、あんまり好きじゃありません。
”取り残される ”のも、”取り残す ”のも。
そうゆうちょっとした相手の気持ちを、きちんと汲むことが出来るのがヨシナガと
いう人です。
きちんとリンコにも会釈し、気遣い、配慮を欠かしません。
ちなみにココではじめて、ヨシナガの風貌がハッキリします。
色黒で背が高いガッチリした筋肉質のスポーツマンです。
リンコは4年制大学の社会福祉学部に進学しました。
将来の ”就職 ”を見据えての進路決定です。
こうゆうところ、リンコらしいです。しっかりしてるというか、超現実的というか。
サクラがヨシナガに、まくし立てるように高校時代エピソードを話しますが、
これはいつも通りの光景です。リンコの話もいつもしています。
大学内で一番気を許しているのがヨシナガなので。まるで父親。
まぁ、だからこそヨシナガもサクラを可愛がってくれてるんでしょう。
ハルキのエピソードも笑い話として出てきます。
ヨシナガはハルキが教師だという事は知らなかったので、驚愕です。
あんな感情剥き出しで、未成年(サクラこの時19才)を溺愛する元担任(27才)
あのまま担任だったら、どうなってしまっていたのでしょうか。空恐ろしい。
実はこの後、ヨシナガは体育教師になります。まぁ、教師向きだよね。
いい先生になるでしょう。こんな先生ほしいもんだわー。
リンコとヨシナガで連絡先の交換をしますが、元々は ”チャイティーラテ ”の
作り方をメモるものがあるかという話の流れで、そうなりました。
ちなみに、
<材料>
※トールサイズ1人分
・牛乳(180cc)
・お湯(180cc)
・インスタントチャイ(無印良品チャイティーパック1個~2個)
・ハチミツ(適量)
<作り方>
1、お湯(180cc)にインスタントチャイ(ティーパック1個)を入れ、
3分程度蒸らし、まずは普通のチャイを作る。
お好みでティーパックを追加してもOK。
2、次にそのチャイに適量のハチミツを入れかき混ぜる。
ハチミツは「ちょっと多いな」と思うくらい入れる。
3、最後にレンジで温めたミルクをチャイに注げば「チャイティーラテ」が完成!
・・・だそうです。
ネットで作り方をググりました。
てか、チャイティーラテ自体飲んだことないので、勿論作ったことも
(わたし作者は)ありません。美味しそうだけど、甘そうだわね。
ここら辺で、ヨシナガの ”オネエ疑惑 ”がまたしても顔を出します。
色黒スポーツマンがチャイティーラテを自宅で作り、お菓子を作り、
だいぶクッキーには自信ありのようです。食べてほしくてしょーがない。
それが発端となって、練習試合に出向く運びとなるのですが。
サクラがふたりをくっ付けようと作戦を練りますが、以下の通りです。
【リンコ・よっし~部長 ラブラブ大作戦】
1、今度の練習試合にリンコを呼ぶ
2、試合に勝つ
(よっし~部長のユーシを見せる)
3、クッキーはふたりきりにして渡す
(SB同好会はさっさと片付けしたらタイサンする)
※トンボ掛けするの忘れない!
4、芝生にすわる
(よっし~部長がリンコにハンカチを貸して、お尻の汚れを防ぐ)
※いちおハンカチ2枚持つの忘れない!
5、さり気なく四つ葉のクローバーをふたりで探す
(ふたりが座るあたりに植えておく)
※前日までに四つ葉を探ておくの忘れない!
6、ふたりイイ感じになる
7、ふたり付き合う
8、ふたりケッコンする
サクラの手書きメモです。
ハルキ部屋で、ポテチ食べながらルーズリーフに箇条書きしました。
「※」の項目はサクラ自身が行う事のようです。”忘れない! ”と強調を。
ちなみに、3番のトンボ掛けですが。
いつもヨシナガがのんびりグラウンドを均しているのを、この時はサクラが
無理矢理引き受けますが、普段やらないし、まぁサクラだし。
トンボしまうの忘れて出しっぱで帰ります。グラウンドにポツン・・・
5番の四つ葉ですが、サクラの乏しい脳内では ”ふたりで四つ葉を探す ”
という行為が何故か ”ラブラブ ”に繋がる模様。発想が小4です。
ほんとに前日に近所の土手に行って四つ葉さがしました。
数時間探して1本だけ見つけ、リンコ達に座らすあたりに植えてみたのですが
ふたりは四つ葉など探さず・・・ 当たり前だよ、サクラさん。
6~8番の急展開ぐあいが、やはり、発想 小4。残念な限り。
リンコがヨシナガに ”心の棘 ”の話を切り出します。
今まで、誰にも言えずにいた後悔の念。
実際、ハルキもサクラも、”あの時のこと ”など全く気にしていない。責めない。
逆にツラかったのでしょう。
ハルキとサクラの関係が進展すればするほど、”離れるキッカケをつくって
しまった自分 ”を責めて、苦しかったはずです。
ボロボロ泣きながら懺悔する姿に、ヨシナガはただやさしく相槌を打って
やわらかく隣に座って佇みます。
この時、ヨシナガはリンコに指一本触れません。
ひとによっては、肩を抱いたり、頭を撫でたり、ボディータッチするのかも?
もしかしたらリンコはしてほしかったかもしれません。
でも、ヨシナガには ”物理的 ”にではなく ”ココロで寄り添える人 ”であって
欲しかったので、一切触れさせませんでした。
まぁ、コレもあってまた ”オネエ疑惑 ”が再燃、つーか炎上するのですが。笑
ヨシナガから聞いた ”サクラの本音 ”
『チョ~ゥ大事な友達なんスよ』
サクラはこんなの当たり前にリンコに伝わってると思ってるから、
わざわざ口にはしてきませんでしたが、リンコにはそうじゃなかった。
コレ聞いても、リンコは申し訳ない思い(ごめんね)が募るばかり。
でも、ヨシナガが言った、この、
『 ”ごめんね ”は ”ありがとう ” に、変換した方がいいよ』
『伝えたいことは、ちゃんと顔を見て伝えた方が、ゼッタイいいよ。』
の言葉で、はじめて『ありがとう』の5文字を伝える決心がつきます。
リンコが走って走って、肺が爆発しそうに走って、サクラ宅へ駆け付けます。
もしかしたらサクラに『ずっと好きだったの。』とか言っちゃうのでは?と
ちょっとドキドキしたのですが・・・そんな訳はなく。
(リンコの、サクラへの想いは ”LOVE ”ではなくて ”LIKE ”でした)
この『ありがとう。』を伝えた時、リンコは笑っていました。泣いてません。
きっと、もう泣くことはないのでしょう。棘は溶けて消えたから。
ちなみにサクラは、リンコが突然訪ねて来てくれた事が嬉しかったみたいです。
この後、無理矢理リンコを家に招き入れ、夕飯をご馳走し、その後もなかなか
帰そうとせずにリンコを困惑させました。
勿論、帰さない理由は ”よっし~部長、どう?(ニヤニヤ) ”の為です。
きっと、しつこいくらいにリンコにゴリ押ししたのでしょう。
『お前が関わるとまとまるモンも、まとまらんくなる!』
ハルキの溜息が聴こえるようです。
実際、リンコもヨシナガもこの時は互いのことを ”そうゆう目 ”では見ていません。
今後、どうなるのかはふたり次第です。
堅実なふたりですから、きっと、進むとしても、ゆっくり一歩ずつでしょう・・・
・・・と、その前に。
”よっし~部長オネエ疑惑 ”が・・・。
本編に書いちゃうと長くなりすぎるので泣く泣くカットしている小話でした。
この後、ラスト”番外編 最終話(予) ”の小話も書こうと思っています。
お目汚し、失礼いたしました。
君の見つめるその先に 【あとがき小話集その3】