白いあなたと黒い私
ああ、黒いなんて黒い
道を埋め尽くす人ごみが様々な方向へ進んでいく
ひとりは無機質なビルへ
ふたりはホテルへ
そんな人ごみはお世辞にも綺麗とは言わない
こんなごみの大行進 見てるだけで酔ってしまう
そんな私もごみのひとりなのだと知りたくない
知ってしまう、嫌でも頭に押し込められるように
理解せざる終えない
ああ、きたない、汚ない、私も人間もお前も汚れている
黒い雪がどこからか降ってくる、落ちてくる
これはきっと汚ない私を綺麗にするための汚れたちり
汚れた私は汚れたちりで綺麗にするのが一番良い
白い雪なんて眩しすぎて汚れを落とす前に目がつぶれてしまう
白い神様
あなたは綺麗ね、お世辞なんて笑えるくらい
白くてとても綺麗ね
私たちを作ったくせに汚れたままで放っておかないで
私を私たちを綺麗に出来るの、あなただけは
どうしてあなたは白いままでいられるの
人間のキャンパスは真っ黒に塗り潰されたまま
それを綺麗だという人間が私は嫌い
私は目をつぶった
そして宙に向かって足を踏み込んだ
私は黒から赤になった
白いあなたと黒い私