君の見つめるその先に 【あとがき小話集その2】
※【番外編2】と【番外編3】の裏話・裏設定になりますので、
ネタバレ要素あります。
【番外編2】 ~ 卒 業 ~
サクラの大学合格そして高校卒業の、お祝いの夜の話です。
サプライズでハルキが駆け付け、やっと、やっとの事で婚約指輪を渡せる夜。
またしてもサクラだけドッキリに仕掛けられ・・・
秘密はバラされるは、ドッキリ仕掛けられるは。
まぁ、でもこの子はイジられて構われる星の下に生まれた子ですから。
≪サクラ≫
無事に大学合格&高校卒業。
しかし、一番に知らせたい・見せたいハルキはいません。
こうゆうイベントごとの時は、ひときわ寂しそうです。
ハルキ母サトコに言われて、渋々ハルキ部屋の掃除に行きますが
実際は一切掃除はしていません。雑巾持ったけど、最初っから机をペロンと
撫でて終わらすつもりでした。そうゆう子です。
受験勉強が終わった後も、毎日部屋に来ています。
もう自分のもんだと思っている模様。
週刊ジャンプが机に積み重なり、ポテチの食べカスが散乱しています。
サプライズ・ハルキに驚き固まりますが、『サクラ・・・ おいで?』の言葉に
胸に飛び込みます。この言葉に、パブロフの犬状態?
家族の前だと恥ずかしすぎて一切ハルキには甘えないし、むしろ避けます。
でも、視線ぐらい合わせたげて。ハルキ、わざわざ遠いトコから来てんのよ。
実は、ここで初めて、ちゃんと手をつなぎます。
ふたりは気持ちを確かめ合ってすぐ離れ離れになったので、
停電の夜に抱きしめたのと、ハルキを見送る際のキスと、
あと、ハルキが入院中のサクラにこっそりキスしたぐらいしか無いのですね。
手をつなぐ事でさえ、サクラは照れくさくて照れくさくて・・・大変ね。
髪の毛も、伸ばしています。
元々サクラはショートボブです。アゴくらいの長さの。
それがこの段階では、肩に付くくらい伸びました。
何故伸ばしているかは、言わずもがな。アップに出来るまで伸びるかな?
サクラもちゃんと乙女なんです(サカキとリンコ、聞いてるかー?)
ハルキから渡された婚約指輪に、目を見開いて驚きます。
(ちなみにゲスいですが、税別28万円の指輪です。公務員ガンバったー!)
実は、サクラも今後そうゆう可能性もあるかと、ネットで調べてました。
”婚約指輪 お返し ”でググってました。
そこには ”時計 ”や ”ネクタイピン ”など載っていたようです。
まさかこんな早く指輪を渡されると思っていなかったので、
(お祝い、お金?って)卒業したらバイトをしてお金を貯めて、
お返しを買おうと、ちゃんと考えていたのに。
ちなみに、ハルキを見送った後、指輪をして自宅に帰ったサクラは、
指輪の件を過剰にイジられるのは嫌だけど、嬉しいから気付いてもほしいという
ジレンマに喘ぎ、なんとなく無駄に左手で物を掴んだりしてアピール。
ハルキ母サトコが、ソレに目聡く気付きます。
『あれ、サクラ。ソレ、どーしたの?』 分かっててわざと訊く、サトコ。
『・・・もらった。』 照れくさそうにボソっと一言、サクラ。
『誰から?』 分かっててわざと訊く、サトコ。口撃は止まらない。
『・・・・・・・ハルキ。』 不機嫌そうにボソっと、サクラ。
『なんで?なんで ”そんなの ”くれたの?』 分かってて(以下同文)
『・・・・・・・・・・・・・。』 からかわれてる事に気付く。不機嫌。
『なに?ケッコンすんの?あんた達。』 もう半笑い。なんとか笑いを堪え口撃。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』 耳も顔も真っ赤。ふくれっ面。
(んもぉおおお!!! 可愛い! 食べちゃいたいっ!!)
ぎゅぅぅうううううう・・・ サトコがサクラを羽交い絞め、
ッチュゥウウ!!! サトコがサクラのほっぺに、無理矢理チュウ。
『やーーめーーーれーーー!!はーーーなーーーせーーー!!!』
サクラ、真っ赤になってジタバタ。
もしかしたら、ハルキの次にサクラを愛しているのはサトコかも。
以上の遣り取りで分かるように、ハルキは100パー、母サトコの遺伝子を
受け継いでいます。矢継ぎ早にイジる、この感じ。血って恐ろしい。
サトコは、ハルキから既にサクラと将来的に結婚する話は聞いていたので
婚約指輪には然程驚くことはなかったです。
勿論、サクラ父母にも連絡網は回っています。
サクラ母ハナとハルキ母サトコ・父サトシの3人は、大興奮で式場話など
ワックワクで話していますが、サクラ父コウジだけは微妙な顔つきです。
父はみんな、娘を盗られる気分になるようです。
それがたとえ、息子同然のハルキだとしても・・・
≪ハルキ≫
母サトコにサプライズ帰省の件を依頼。母ネットワークで、そんなの朝飯前です。
実は、お祝いのご馳走には ”ミナモト家特製カレー ”はありませんでした。
サクラ母ハナから『作ろうか?』と打診があったのですが、
ハルキは断りました。サクラのカレーを、楽しみに待ってるみたいです。
このタイミングで婚約指輪を渡すことは前々から決めていました。
早々と指輪は買って、リングケースのふたをバカになる程パカパカしてましたから。
一応、色々渡すシミュレーションしたみたいです。
ハルキ部屋で渡そうか、家族がいる前で公開プレゼントにするか、
どこか雰囲気のいい場所に連れ出そうか。
でも、ハルキ部屋でのサプライズの際は抱きしめるのに夢中だったし、
サクラは照れて中2の様に目を合わせないし、コンビニ行く途中ではアレだし、
結局、駅で別れ際しかチャンスは無くて。
ハルキは余裕ある感じにオトナぶってますが、カバンからリングケース取り出す時
実はちょっと手ぇ震えてます。
そりゃ感慨深いよね。やっと想いを ”形 ”に出来たんだもんね。微笑ましい。
心の声で (連れてっちゃおうかな )と呟きますが、正直、連れてこうと思えば
出来なくもない。でも、サクラの『がんばってオトナになるから。』の一言で
ハっとします。サクラがどれだけハルキの為に努力して頑張っているか。
『慌てなくていいから。』 と精一杯の虚勢を張るハルキ。
早く結婚させてあげたいと、痛感した一瞬でした。
てか、こんな、小鳥のキスばっかで・・・ 血気盛んな若者が!!
ハルキさん・・・。地獄だな。
ガンバッテ!! 今後、なんか、・・・進展あるかもよっ?!
【番外編3】 ~ 部長と泥酔仔ライオン ~
気持ちを確かめ合って離れてから、ハルキは愛情の蛇口がバカになって愛情ダダ漏れ
ですが、サクラは照れまくって中々愛情表現できないので、間接的にハルキへの
愛情をしらしめたくて書いたお話です。
第三者から聞かされる系、です。
≪ヨシナガ≫ サクラの大学 ソフトボール同好会の部長 大学4年22才
とにかく、中盤までいかに ”女 ”だと思わせられるかに力を入れていました。
まず、口調は穏やかで言葉も汚くならない様、男女どちらにでも取れる様に。
サクラのことは『ミナモト』と苗字呼び捨てしますが、それは体育会系なので。
自炊してるので料理も出来て、弁当持参して。
ここまでは、いいかな?と・・・
クッキー焼いて、ボタン付けられる辺りで、ちょっとオネエ感 顔出しちゃって
”よっし~部長オネエ疑惑 ”がまことしやかに囁かれております。
スピンオフ2で、『オネエじゃないから。』と言うシーンがありますが
なんだか余計怪しくて・・・。 別にいいよ、オネエでも。カムアウトして?
サクラが言った ”ユリちゃんみたい ”というのは、やわらかく笑う感じとか
物腰のやわらかさの為であって、勿論、見た目ではありません。
本人は、ゴリゴリの色黒スポーツマンです。・・・やっぱソッチ系?笑
サクラが実弟に似ていて、やたらと気に掛け面倒見ますが
それは ”LOVE ”ではありません。
サクラの指輪も見てるしね。
でも、やっぱ構いたくなって可愛いがってくれてたんですね。
Twitterの画像は、万が一ハルキに見られたらまた面倒だから、変えて正解です。
また飛んで来ちゃいますから、アイツなら・・・
ちなみに、サクラが飲み会で飲んだのはカシスオレンジ。
たった2杯でダウンしました。ほんとに体質に合わない模様。
ぁ、一応まだ未成年だったっけね。
≪ハルキ≫
ヨシナガから電話が来て、最後の最後に自己紹介されて ”男 ”だったことを
知った時の『・・・・・ぇ。』の顔といったら。
顔面蒼白ってコレを言うのかってくらいの、青ざめっぷりでした。
サクラから『よっし~部長、よっし~部長』と連日、話を聞いてましたしね。
自分の目が届くならまだしも(サカキの時のように)遠く離れ、
バレーボールをぶつける事も出来ないのに。
そりゃ大慌てしますよ、親ライオンとしては。
翌日すっ飛んでヨシナガにメンチ切りに参上しますが、その際ハルキは
スーツ姿でした。
”俺、お前よりオトナ ”ってゆう威厳を見せつける為に・・・。ヘタレ。
てか、そんなすぐ駆け付けられる距離なんじゃ~ん!
タクシー代は、掛かった金額の倍額を、無理矢理ヨシナガに渡しました。
”俺、お前よりオトナ ” 感、どんだけ出したいの?
ヨシナガから、自分の知らない所で表していたサクラの ”自分への愛情 ”を
耳にしてどんだけ嬉しかったことでしょう。
指先を絆創膏だらけにして一生懸命に特訓してたカレーが完成した、って
ご機嫌で飲み過ぎて泥酔して記憶なくすって・・・ バカな子です。笑
ハルキはガーベラの花束を抱えてサクラの元へ駆けますが、
ガーベラの花言葉は「希望」「常に前進」
このふたりにはピッタリな気がします。
ちなみに、花束を買うのは人生初だそうです。
絆創膏だらけのエプロン姿と、玄関先に流れ香るカレーの香辛料のにおいが
相まって、この時、ハルキちょっと泣いてます。
嬉しかったんだねー。良かったね。
ここでハルキが『ケッコンしような。』と言葉に出します。
もう蛇口のパッキン取り替えて。愛がダダ漏れで洪水んなってますよ。
・・・待ち遠しいだろうね。もうちょっと待っててね、ハルキ。
本編に書いちゃうと長くなりすぎるので泣く泣くカットしている小話でした。
この後の、 ”スピンオフ2 ”と ”番外編 最終話(予) ”の小話も書こうと
思っています。お目汚し、失礼いたしました。
君の見つめるその先に 【あとがき小話集その2】