夏の幽霊

夏っていう幽霊はすり抜けられないほど熱い。

気付いたらそこにあった夏

夏は暑い。ほんとに暑い。
みんながそうやって口に出していうから余計暑い。
もう、何もかもが嫌になるぐらい暑い。
そんな風に思っている僕だって口にしちゃう。

「暑いな」って。

きっと夏のせいなのかな。みんながおかしいのは。
きっと夏のせいなのかな。些細なことでイラつくのは。
きっと夏のせいなのかな。

きっと夏のせいなんだろうな。

今はそういうことにしておいて、秋が来たら夏に謝ろう。

夏の幽霊は、今年も元気に笑っていた。

夏の幽霊

夏の幽霊

そいつは、夏の下にいた。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-02

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