白と黒
俺のものになれ
貴方はそう言って私を塗りつぶそうとする。
私は「嫌よ。」と言った。
貴方はしょぼんとして、その場を立ち去った。
私達はそんな関係になってはいけないの。
私が貴方を欲しいと手を伸ばしてしまったら、貴方は汚れてしまうから。
「ごめんなさい…」
私がこんなに汚れていなければ、貴方を愛することが出来たのに…ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
「なあ」
立ち去った筈の貴方の声がした。
「お前の汚れを俺にも分けてくれねえか。そうしたらお前も明るくなるだろ。」
と言った。
私の頬に温かいものが流れた。
不器用で汚い私は
貴方の色を吸収して
綺麗な灰色になった。
綺麗な貴方は
私の汚れを受け入れて
薄汚れた灰色になった。
「これで俺達はお揃いだな」
「そうね…」
「ありがとう」
愛してる
白と黒