いるかのほし50 テンプ~ラ・オッレ! 2

テンプ~ラ・オッレ! 2

 「頭に穴が開いても、人って変わらないんだな・・・・・。」

 ・・・・・ポコは、自分はアーチャを、どうとらいえたらいいのか、本当にわからなくなった。

 ・・・・・あまりにも、「自分」とは、違う。私なら、たぶん100パーセント、タマネギをテンプラにしたりはしない・・・・。しかも、健康を気にしていて、まさに退院して、これから、生活も見直そうなんて思っているその1日目に・・・。

 ・・・・・・違うのは仕方がない。それは当然・・・。なぜ、戸惑うのかというと、まだ自分がアーチャをどう理解すればよいのかわからないから・・・・。今の理解は、アーチャからかけ離れているから・・・・。どうとらえたらいいのか・・・・・・。

 思考の「パターン」が自分とは、違うのだ。いいとか、わるいとかでなく、違う・・・・・。その違いの中身が、わからない・・・・・・・・。

 何を、いつ、どんなときに、楽しいのか・・・。何が好きなのか・・・・・・・。そんなことも、20年もいっしょの暮らすけど、わからない・・・・・・・・。

 「・・・・・・・・・・!!!!」
言葉にできないけど、うなるしかないような、戸惑いがあった。・・・・・・・何か「アーチャのために」と自分が思ってやってることが、全く「ために」なっていないのかもしれない・・・・・・・・・。
 「ためにもならないこと」を「ために」と思ってやってる時の、自分ってなんなの????ばかじゃないの・・・・・・??

 自分だけの自己満足で、ただの誤解の思い込みで、伝わらなければ嘆きのヒロイン?????・・・・・、そんなのに、なりたいわけは、なかった。でも、じゃあ、接点は?何?どこ?

 ポコは、ふと、ピコに参加してるはずの、「イルカ☆ウミガメツアー」のことを、思い出した。。。。。。。、今頃、潜ってるのかな・・・・・・・。
「ズットツアーズ」を検索すると、青い海とイルカの姿が画面いっぱいに輝いた・・・・。

 ワイハハ島かあ・・・・・・。なんとはなしに、他のツアーなんかをサーフィンする・・・・・・。イルカの笑ったような顔が、愛嬌いっぱい。
「・・・・・・か、かわいい・・・・・・。」イルカの画像なんて、いままでそんなにまじまじと見たことはなかった・・・。でも、今日は、なんだかとても人間くさく見えてくる・・・・・・・。「何か、しゃべりだしそうやな・・・・。そうそう、前に水族館で、白イルカを間近で見たとき、あんまり表情豊かで、かわいらしかったから、びっくりしたことがあったな・・・・・・。」

 にんげんどうしって、ほんとにわからないことが多いけど・・・・・・。イルカは、むずかしいこと考えてなさそう・・・・。いつも笑ってそう・・・・。「ピコは、イルカに会えたかな・・・・・。」また、ぼんやりワイハハ島に気持ちを向けると、ふと、このまえ図書館で借りた本の中にあった、イルカらしきレリーフの写真を思い出す。
 古代遺跡のレリーフに、イルカみたいな模様・・・・・・・。別に何か特別にそこから深くつながってゆきはしないのだけど・・・・・・。

 わからないことって、別に、遠いところにあるわけじゃないな・・・・。20年いっしょに暮らす家族のことだって、十分ミステリーだわ・・・。
ポコは、気分を変えて、ラビンの散歩に出かけた。

いるかのほし50 テンプ~ラ・オッレ! 2

いるかのほし50 テンプ~ラ・オッレ! 2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-30

CC BY-NC-ND
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