好きだよ。①

今回は特別な恋愛物語です!
これは私が実際に体験した話であります。

初めての気持ち

私は春風 愛蘭(はるかぜ あいら)。
好きな人⇨なし
友達⇨結構多い(?)
年齢⇨中学2年生

そんな私が、いつからかトクベツな気持ちを抱いてた人。
それは……………

先生。

これは、私が先生に恋した結末までの話。

2年前–––––––––

「愛蘭〜!愛蘭帰るよー?」
「あ、うん!…あっ‼︎」
「んもぉ、何やってんの(笑)」

ランドセルをひっくり返した私に呆れながら荷物を拾う、親友の桜田 萌絵(さくらだ もえ)。
萌絵は、小1の頃から仲良しでずっと一緒。
…そして、私の気持ちを私より理解してくれる良き親友。

「よっ、愛ー」
「あ‼︎羽田せんせー!」

羽田 圭(はねだ けい)先生。
この人こそ、後に私がトクベツな気持ちを抱いてしまう人…。

「愛、今日は宿題やったか?」
「やってるよー、毎日忘れるわけじゃありませんー」
「ハハハ、そうだよな(笑)」

ふてくされた様に言った私に笑いながら軽く返事する先生。
今思えば、この時はもうすでに好きだったのかもしれない。

「先生…」
「ん?」
「へ?あ、ううん!さよーなら」
「おう!さよなら!また明日な♪」
「うんっ‼︎」(何言おうとしたんだろ、私…)

帰り道。
私は親友たちの話に入れなくて少し後ろを歩いてた。
楽しそうに横を通り過ぎる低学年の子たちは、まだ少しランドセルが大きそう。
もうすっかり柔らかくて傷だらけになったランドセルをからいなおしながら、私は考えた。
『人を好きになるって、どんな感じなのかなー』
青く澄み切った空は、カンカン照りの太陽を明るく出迎えていた。
私はそんな空を見上げて、その太陽にいつの間にか羽田先生を重ねてた。
太陽みたいに明るくて眩しい先生は、奥さんも子供いて。
毎日幸せそうに子供の話をしたり、写真を見て笑ってたり。

「愛蘭おっそー!」
「話に入れなかったのー」
「あーそゆことね」

私はそんな先生を見てると、なぜか胸が締め付けられる様に痛くなった。
親友たちの声かけで、私はようやくスピードを合わせることが出来た。

「そういえば…最近羽田先生元気ないよね」

ふと漏らしたその言葉に、私は敏感に反応する。

「えっ⁉︎うそっ‼︎」
「ホントホント。なんかさー、しょっちゅうため息ついてる。」
「確かにそれな(笑)もしかして夫婦げんかとかしたのかな?」
「まっさかー。いつもあんなに笑ってたのにー?」
「んなわけないか(笑)」

もう一人の親友、美鳥 紗耶香(みどり さやか)が、冗談で言った言葉。
夫婦げんか…か。
この時私は最低なことを考えてた。
『このまま別れちゃったら私にもチャンスくるかな…』
先生と生徒の恋なんて実るはずない…いや、実らせちゃいけないのに、期待して舞い上がる私。
でも私は鈍感で、そんな自分の気持ちに気付かなくて。
それが『恋』だって事に気づくのはまだまだ先の話。

「ん?なんかパラついつない?」
「ゲッ、ホントだ!やばいよ、走ろ!」
「うん‼︎」

突然降ってきた雨に打たれ、雨宿りするところも近くになくてビショビショになる私たち。
偶然紗耶香の家に着いたので、雨宿りさせてもらう事にした。

「お邪魔しまーす」
「お邪魔しまーす!」
「どーぞー。ママ〜!ママ〜!」
「なぁにー?」
「雨降ってきたー。から、萌絵と愛蘭少しだけ雨宿りさせてあげていい?」
「あら、雨⁉︎いいわ、上がって。タオル貸してあげなさい。洗濯物取り込まなきゃ!」
「はーい」
「「ありがとーございます!」」

バタバタとベランダへ向かう紗耶香ママにお礼を言いながら、私たちはタオルで頭や服を拭いた。
じきに雨は止み、私たちは紗耶香の家を後にした。

「じゃね!また明日」
「うん!またねー」

萌絵の家の近くには会館があって、そこの前は急な下り坂がある。
そこを下ったらすぐに曲がり角があって、私はその曲がり角を直進。
萌絵は曲がって上って、会館の前にある住宅街に住んでいる。

私はまた歩きだし、ふと思い付いた。
『明日先生に手紙書こうかな』
なんの意味もない、ましてやこの時はまだ好きだという事に気付きさえしてないのだからその気持ちを伝えるためでもない。
ただ無性に手紙を渡したくなった。
…というより、話すきっかけが欲しかったんだと思う。

家に着くと、すぐに部屋に飛び込み、勉強机に向かい合った。
宿題を放り出して、レターセットを取り出す。
何がいいかなと悩んだ末、クローバー柄のやつに決めた。
…のはいいんだけど。

「やっぱりやめとこ…。渡すタイミングないしね」

と、やめた。(笑)
渡すタイミングがないというのはただの言い訳で、普通に恥ずかしかった。
なんの意味もなく突然描きたくなって書いた手紙を渡すことが。
どうしてだか…先生の事になるとなんでも恥ずかしかった。
まぁそれは好きだからなんだけど(笑)

「うーんっ…面倒くさいけど宿題やらなきゃ」

ランドセルからゴソゴソとノートと教科書と筆箱を引っ張り出す。
すると一階からお母さんの声が聞こえた。

「愛蘭〜!おやつあるよー!ポテトだけどいいー?」
「あ、うん!今行く〜!」

私の大好物、ポテト。
宿題より先に食べる!(笑)

「ふぅー、階段急すぎて疲れる」
「そうねぇ、あの階段ホント急だから。」
「だよねー、あ、いただきます(もぐもぐ)」

早速ポテト1本口の中へ。
んーー、美味しい(≧∇≦)
やっぱりポテトは最高だよねぇ( ̄▽ ̄)✨

「あ、買い物行かなきゃ」
「んー、行ってらっしゃい」
「鍵閉めといて!」
「はいはい」

かる〜く返事をして、またポテトを食べる。
お母さんは基本ポテトとか食べない(食べるときはすごく食べるけど)。
だから私が食べる分が増えてラッキー(≧∇≦)(笑)

お母さんが家を出ると、私は飼っている愛犬と2人になった。
名前はホク。
よく吠えてよく食べてよく遊ぶ。
おかげで今は丸い(笑)
一応ミニチュアダックスとピンシャーのミックス犬なんだけど…
細いピンシャーの面影はないね。(笑)
シッポが長い事と、黒と茶色の体がピンシャー…かな(笑)

すると、携帯のバイブが鳴った。
そういえばサイレントモードにしてたままだった。
一回しかならないって事はメールか…誰だ?

『From.萌絵』

あ、萌絵からか…なんだなんだ?
私はガラケーのボタンを押して本文を見た。

From.萌絵
題名⇨相談
本文:
実はさ、私、好きな人がいるの(。-_-。)
でもその人は告白したいけどできない人でさ〜(^◇^;)
どーすればいいか、愛蘭ならいい判断とかアドバイスとかくれると思って(≧∇≦)

私ね、その人の事は本気で好きなんだ。
その人ね…教師なの。
先生として好きなんじゃなくて、1人の男性として好きなのね。
で!でだよ?
私、その人に手紙渡したの。
手紙って言っても書いたのは『SUKI』だけ。
気持ち伝わると思ったんだけどね。
伝わらなくってさぁ。
ねぇ、気持ち伝えた方がいいと思う?
伝えた方がいいならどうすればいいかな⁇
教えて〜〜(*^◯^*)
Dear.愛蘭

「…まさかね」

私は一瞬疑った。
先生が好き、という事にもだけど、真っ先に思い浮かんだのは
『羽田先生のことが好きなんじゃないかという恐れ』だった。
もちろんその時私は自分の気持ちに気付けていなくて、なんでそんな事を思っていたのかわからなかった。

「うーん…と。」

私はすぐに返信した。
『今から会おう?その方が話しやすいよ(^_−)−☆』
そして、近くのカフェで会う事になった。

カフェにて–––––––

「で…単刀直入に聞くけど誰が好きなの?」
「はぃぃっ⁉︎そっから聞くの⁉︎」
「うん」
「うん、て。……耳貸して」
「ん?はいはい」

恥ずかしそうに、少しためらいながら私に出した名前。
それは………………

「羽田先生」
「えっ…?」
「っ…だ、だから。羽田圭先生だよぉ…‼︎/////」
「あ…そ…なんだ…」
「うんっ…で、どーしよ⁇」

そんな事言われても…私はなぜかそう思っていた。
もちろん今ではなぜなのかわかる。
私も好きだったからだ。
羽田先生の事が。

「…………」
「愛蘭?」
「えっ…?あ…うん…。……そだね。気持ち伝えたら?」
「えーっ‼︎でも先生だよ⁇」
「だから何?好きなのは仕方ないし、気持ち伝えなくて後悔するより伝えて後悔する方がいいんじゃない?」
「うぅーん…。……………そーだよね。わかった‼︎ありがと☆」
「いいえ☆」

気持ち伝えた方がいい…というのは表向きの考えで。
本心は、伝えないで諦めてと言っていた。
でも親友だから恋は応援するし、ましてや当時はまだ気持ちがわからなかったので意味もなく止める事はない と勘違いしていた。

「あっ、もうこんな時間!私帰らなきゃ。ごめんね‼︎ありがとね!またねー( ´ ▽ ` )ノ」
「うん、またね…☆」

私も帰ろ…と、席を立ちドリンク代を払いカフェを出た。
家に着くと、お母さんが既に帰ってきていた。

「あらおかえり。どこか出かけてたの?」
「うん、友達の相談に乗ってた」
「そう。愛蘭は優しいものね♡」

自慢気に言うお母さんに『ありがと』と返し、私はそのまま部屋へ戻った。
正直疲れる。
優しいのは助かるけど、気にしなさすぎるお母さんは、私に何かあってもきっと気付かないのだろう。

ピリリリリ…ピリリリリ…

「あ、電話…?」

ピッ

「もしもし?」
「愛蘭⁉︎大変なの‼︎萌絵が‼︎」
「え?何?落ち着いて」
「萌絵が…事故にあって…病院に運ばれたって…‼︎」
「…………え……………?」

何を言っているのだろう、と思った。
紗耶香からの電話で…萌絵が事故に遭って病院に運ばれた事を知らされた。
私は階段を転がるように駆け下り、お母さんに事情を説明してタクシーを呼んで急いで病院へ向かう。

到着し、お母さんがお金を払っている間も私はタクシーを飛び降りて病院の中に駆け込んだ。
すると受付の前で松葉杖をついて頭に包帯を巻いている萌絵の姿が…‼︎

「萌絵‼︎‼︎」
「あ、愛蘭?心配かけてごめんよー(T ^ T)」
「本当だよもう…。紗耶香ったら泣きながら言うから意識無いのかと思ったよ!」
「紗耶香ぁ?大袈裟に言わないの‼︎」
「ごめんごめん(^◇^;)」
「あら?萌絵ちゃん…よかった、無事だったのね。」

お母さんもホッとしたらしく、安堵の息を漏らした。
そんなお母さんと私に萌絵は優しく微笑んでこう言った。

「ありがとう、大丈夫です☆私はそんな簡単に死なないから(笑)」

私たちも微笑み返して頷いた。
その後、私のお父さんが迎えに来てくれて、私たちはそれぞれ帰った。


「……終わったぁぁぁ‼︎」
「お疲れ様。」

帰ってきたのが夜だったので、大急ぎで宿題をした。
晩ご飯もゆっくり食べられなくて残念(T ^ T)
でもおかげで間に合った。
お母さんがカルピスウォーターを机に置いてくれる。

「ありがとお母さん」
「いいのよ、大丈夫?無理しないでね」
「うん…。」

そして次の日––––––––

「羽田先生…‼︎」
「おう、萌絵。ん?大丈夫か⁉︎」
「え?あー、昨日事故っちゃって(笑)大丈夫ですよ♪」
「ったく気をつけろよ?」
「うん‼︎ありがと…♡」
「おう」

学校に行くと、羽田先生が萌絵の頭を笑いながら撫でているのが見えた。
…2人両想いなのかな…⁇
そんな事を思いながら私は教室への階段を上がっていた。

「あ、愛蘭‼︎待って‼︎」
「…ん?」
「愛蘭に見届けてほしいの。…今気持ち伝えたいの。」
「…………そっか‼︎いいよ、立ち会うよ。」
「ありがとう♪♪」

私は一度教室に行き、荷物をある程度片付けてから萌絵の待つ体育館の裏へ向かった。
そこには既に萌絵と羽田先生が来ていて、私が息を切らしながら『お待たせ』と言うと、萌絵は待ってましたとばかりに隣に来るよう目で合図してくる。

「それで?話ってなんだ?」
「……あのねっ、私…」
「???」
「先生のこと…好きなの‼︎」
「え?」
「…ごめんなさい。ちゃんと振られたくて。納得の行く失恋しに来ました。」
「…ありがとう。気持ちはすごく嬉しいよ。でも…な、わかるだろ?」
「うん…」

苦しそうに苦笑いする先生と、うつむきながら頷く萌絵。
もし先生と生徒って関係じゃなかったら…
もし先生と生徒の恋が許されるものなら…
2人は…付き合ってたのかな…⁇
そんな事を考えると、不意に胸が痛んだ。
なんか、何千万ものトゲが一気に刺さったような…猛烈な痛み。
どうして…どうしてこんな痛みが?

「好きだよ…先生‼︎」
「ありがとう」
「じゃあ…ね。」
「おう。またな」
「うん…」

萌絵が背を向け歩き出すと、私は先生を見た。
先生と目が合う。
思わず逸らした私に先生が話しかけた。

「先生と生徒って何なんだろうな」
「…そうだね」
「…戻るか」
「…うん。」

私たちもゆっくり歩きだし、みんなに近づくにつれて私は歩くスピードを速めた。
一緒にいると、勘違いされそうて怖かったから。

「あ、愛蘭!おっそい!」
「萌絵…⁇」
「ん?何?おはよ( ´ ▽ ` )ノ」
「あ、お、おはよ…⁇」

萌絵は、さっきまでのことがなかったかのように明るかった。
今さっき登校してきたような感じ。

「萌絵…無理してる⁇」
「無理?してないけど?」
「…そっか。ならいいけど」
「???」

私は席に着いた。
先生に対する想いが…なんだかわかってきた気がした。
私は先生のこと…好きなのか…な。

「ねぇ紗耶香…ちょっといい?」

来たばかりの紗耶香を呼び止め、私は廊下の人だかりが無いところへ連れ出した。

「たしか紗耶香…窪道のこと好きだよね?」
「えっ⁉︎な、何急に?」
「…好きって何?」
「え?う、うぅーん…」
「好きって言うのは、その人のことばかり考えて他のことに集中できなくなって、胸が苦しくなって、トゲが刺さったみたいな感じするんだよー!」
「え?」
「萌絵じゃん!」
「どこ行ったのかと思ったよ(笑)」
「…そっ…か…」

私の初恋は…《先生》だった。
叶わない恋を初恋にしてしまった。
…でも、好きなんだもんね。
うん…好きなんだよ。
私は先生のことが好き。

私は決めた。
気持ちを伝えようと。
萌絵みたいに勇気を出そうと。
萌絵みたいにちゃんと失恋しようと。

でも…失恋して簡単に諦められるのかな…。

不安だった…。

気持ち伝えたりしたら…先生との距離が離れちゃうような気がした。

好きだよ。①

まだまだ続きます!
今はこれを主に更新していきます。

好きだよ。①

これは、私の実体験です。 私が好きになった相手。 それは…『先生』。 人は恋をするもの。 人が人に恋して何が悪いのでしょうか。 どうして人は、生徒が先生に恋をすることを拒否するのでしょうか。 私はいいと思います。 生徒が先生に恋をすることは別に不思議ではない。 人間なんだから、人間に恋をするのは普通です。 皆様にそれをわかっていただけたらと思います。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-30

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