『 人選ミス 』

私の部屋のゴミ箱が異世界の入り口だったなんて。

「闇の王エリゴールの封印が消滅したのです。あの封印をもう一度かけるには、選ばれし別世界の少女を」

ちっちゃなお洒落ゴミ箱。
そこから生える、野太い腕。

「まずは、とにかく、このゲートを広げる儀式を」

忙しなくぴこぴこ動く奇妙なオブジェを眺めながら、私はソファに寝そべりおまんじゅうを一口。

「あの、先日説明したゲート移動のやり方を、あのですね」

腕の感じ、声の雰囲気、この人きっと好みじゃないからなぁ。

『 人選ミス 』

『 人選ミス 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-27

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