『悪』と『正義』

しあ

  1. 。゚プロローグ゚。
  2. 東雲澪亜
  3. 依頼
  4. 殺しに行く前に

『悪』
それは『正義』が決めたモノ。
その『正義』というモノの正反対の位置に値するモノ。
だとすれば
『正義』
は誰が決めたモノだろうか。
正反対の『悪』が決めたモノだろうか。
違うだろう。
『正義』は民衆が決めたモノ。
そうなのだから、『正義』と正反対のモノは、『悪』になるのだ。

。゚プロローグ゚。

何時からだったかな?
『私』がいなくなって、『僕』ができたのは。


『僕』ができて、感情もなくなって、何も感じなくなった。
皆が『僕』から離れていった。

けど、『僕』は何も感じなかった。
それだけじゃなくて、何をされても、何も、何も感じなくなった。

痛みもない。

悲しみもない。

楽しみもない。

でも、『ソレ』に出会ってから、『僕』は徐々に感情を取り戻していったんだ。

『ソレ』とは。

__________暗殺__________

東雲澪亜

「あはっ…みーんな死んじゃった。」


静かに、地下にこだまする声。
その笑い声は、何処か狂気を感じさせる。
声の主が歩く度に、コツコツと靴の音が響く。

殺しをしているときは笑顔だった。
だが、今は殺しが終わってつまらないのか、無表情でアジトに帰るようだ。



「あー、つまらない。イイコトないかな~…。」



少女の呟きは、徐々に消えていった。




――――――――



「ああ、<killer(キラー)>じゃないか。どうだった?今回の依頼は。」
「いつも言ってるでしょ。今回もつまんなかったよ。」



僕はリーダーにそういう。
僕が入っている団体は<BLACK>という暗殺団体。
リーダーは<black(ブラック)>。僕に今話しかけた人だ。

リーダーと言ってもやることは依頼者の依頼を殺し屋に伝えるだけ。
依頼者はネットで探すらしい。

つまり、ほぼサボっているも同然。
口出ししたら殺されるけどね。


僕はさっき依頼をこなしていたということ。

僕の依頼成功率はこの団体に入った当時から常に1位をキープしている。
つまりは嫉妬する輩も出てくるわけだ。

嫉妬する暇があるなら訓練でもすればいいのに。

まあ、嫉妬した輩は全員リーダーの手によって殺される。
そのときの奴らの顔はいつ見ても最高だったよ……。

人間って哀れだよ。本当に、ね。

依頼

「あぁ、killerじゃないか。」



アジトの廊下を歩いていると、blackに声をかけられた。
コイツはいっつもニコニコしている為、全く考え方読み取れない。



「なんだよ……新しい依頼?」
「お、よく分かったね!」



当てずっぽうで言ってみると、意外にも当たっていたようだ。
いつも暗殺時以外の勘は外れるのだが。

blackはポケットの中に何か入れているようで、何かを探していた。



「依頼主はとある会社の社長さんらしいよ。」
「ふーん、興味無い。」
「ははっ!killerのことだからそう言うと思っていたよ。」



そう思うなら言わなければいいのに。
そう思うが、もし言ったら拘束されて首が跳んでく(物理)。
だから誰もblackに逆らえないのだ。

しかもblackの殺し方のグロいこと。
最低でも胴体と頭が別々になるのは免れない。

度がイっちゃったら微塵切りは絶対だろう。



「依頼内容は…っと……。」


〔『BLACK』様へ。

今回はこちらの依頼を受けて頂き、誠にありがとうございます。

早速ですが、本題に入りたいと思います。

ワタクシの経営している会社は大きい会社です。
が、敵会社の勢力というものが大幅に上がってきたのです。

そこでお願い致します。
敵会社の社長を殺して欲しいのです。
闇討ちでもなんて構いません。
とりあえず、我が社が少しの間でも対策を練られる様な時間が欲しいのです。

どうか、宜しくお願い致します。〕


という内容だった。

結局、コイツは自分のことしか考えてない、ということ。


“我が社”とかなんとか書いてあったけど、どうせ会社の収入が上がればなんでもいい。

そんな奴だろう。


「……あぁ、お前がこれをやることによって、うちの団体の依頼が増えるかもしれないんだよ。
だから、お前の今回の依頼は重要なことだってこと、覚えておけよ。」


僕が答える間をとらせず、あの人は行ってしまった。

あの人が僕らのことを『お前』と呼ぶときは、かなり重要だということ。


失敗は許されない。


いや、その前に、失敗なんてするはずがない。

殺しに行く前に

「おお!貴方が今回の依頼をこなしてくれる殺し屋ですか!」



あの依頼を受けた後、blackは例の社長が『その殺し屋の顔が見たい。』と言ったらしく、半ば強制的に会社の社長室に連れて行かれた。


正直、あまり関わりたくなかったんだけど、blackが『機嫌を損ねるから。』と許してくれなかった。

まさに鬼畜…。


まあ、“自分の快楽”の為だからしょうがない。



「はい。この殺し屋はうちの団体で1番の腕を持っています。
恐らくですが…、今回の依頼の成功率は100%に近いでしょう。」


「おお!これは期待できますなぁ!」


「はい。そうでしょうね。」


「じゃあ、1つ聞こう。」



blackが怒らせない様に、慎重に話し掛けているが、僕には機嫌なんてどうでもいい。
とりあえず、今回の“生贄”を聞くことにした。



「貴方の…、1番大切な人は?」


「私の…1番大切な人?…あぁ、そんなモノ、ありませんよ。」



そう答えることは予測していた。



「では…、1番大切なモノは?」



そう聞いた。

答えは1つだろう。



「金に決まっているじゃありませんか…。」



そう、社長は狂った目で答えた。


-*-


「killer、今回の生贄は?」



会社を出た途端、blackはそう僕に聞いた。



「会社…、だな。」



殺しをする僕には、生贄を決める権利がある。



「じゃあ、もう行くよ。」


「ああ。」

『悪』と『正義』

『悪』と『正義』

主人公は幼い頃から訓練を受けてきた殺人鬼。 13年間で殺してきた人の数は1000人を越える。 殺しをするにつれ、殺人の愉しさを感じた、殺しに快楽を覚えた少女の話。 東雲澪亜 17歳 ✟殺人鬼はこれ以上明かしてはイケナイ。✟

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
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