いるかのほし 45 ウミガメは?2

ウミガメは??2

 ぼくは、「やった!!」って思ったよ。
 ピコは、確かにぼくを見てた。そして、「またね!!きっとねっ!!」って、確かに確かに、思ってた。

 イルカさんたちが止めたけど、ぼくが思いっ切って、ピコに近づこうと思ったあの時・・・・。
 ぐんって、海水を蹴った、あの時に、ピコもこっちを見てたんだ。

 ・・・・・・でも、ピコは、ウミガメさんにも会いたかったんだね・・・・。

 ボートは、あのまま帰って行っちゃった・・・・・。

 ぼくのとうめいいるかぼしには、いるかしかいなかった・・・。ここで、うみがめさんに会うには、どうやればいいのかなあ・・・。

 そんなふうにぼくが思っていたら、ちゃんと来てくれたよ・・・・。ほら、見えてきた・・・。ゆっくりゆうゆうと泳ぐ、ウミガメさん!

 「わほほおぉっ!!わほほおぉ!!」

 ウミガメさんは、きっといつもいつも上機嫌!!(ぼくもだけどね)

 「浜辺の近くに、行って来たら~~~~。お腹が砂にこすれてぇ~~~~。」
 なんか、歌ってる。歌ってるみたいに、話してるね。

 「砂にこすれてぇ~~~るけどぉぅぉ~~~~。じぇんじぇん~~~~かんじ~~なあい~~~~~。」
 ・・・・・??なんのこと???

 「こんにちはあ!!ウミガメさん?」

 「わほほ・・・・・・!!!とうめいぼしのいるかどのぉ!!やあやあああああ。
 さっき、行ってきたよう。浜辺の近くに、わしを見にやってくるにんげんの、顔みになあ~~~~。
 かわいい女の子ぉ~~~~。おとさん、おかさん~~~~~!!!よろこんどったよぉ!おとさんだね。おとさんだねぇ。」

 ・・・!!もしかして、オカキかしらん???そう、ピコの思いが、ウミガメさんには、ちゃんと伝わったのね!

 「おかさんはなぁ・・・・。よう見えんかったかもなあ・・・・・・。すまなんだね。すまなんだねぇ~~~~~。」

 ピコは、見逃したのかな・・・。残念・・・・・。でもでも!!!よかった。何か、伝わったね。今日は、いろいろあったね・・・・。

 日が沈んで、海の中は、真っ暗になったよ・・・・。ぼくは、なんだか、ちょっと寂しかった。もうすこし、ゆっくり会おうね・・・。今度はね!!


 

いるかのほし 45 ウミガメは?2

いるかのほし 45 ウミガメは?2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-23

CC BY-NC-ND
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