くさる
触れられたところから、腐っていく気がした。
好きだった人にデブと言われ、学校に行かなくなって、インターネットに入れ込んだ。
毎日毎日、スナック菓子だけを食べ続けた。食べては吐いた。吐いては食べた。
いつしか肌は荒れ、髪はベタつき、いつの間に随分骨がういた。
その様をインターネットで配信した。
毎日コメントをくれた男の人。そのひとはわたしを、きれいと言った。
ベタついた髪の臭いを嗅がれ、浮いた骨を指でなぞられ、みっともなくのびた皮をつままれた。
かなしくて、みっともなくて、涙が出た。
触れられたところから、腐っていく気がした。
くさる