くさる

触れられたところから、腐っていく気がした。

好きだった人にデブと言われ、学校に行かなくなって、インターネットに入れ込んだ。
毎日毎日、スナック菓子だけを食べ続けた。食べては吐いた。吐いては食べた。
いつしか肌は荒れ、髪はベタつき、いつの間に随分骨がういた。
その様をインターネットで配信した。
毎日コメントをくれた男の人。そのひとはわたしを、きれいと言った。

ベタついた髪の臭いを嗅がれ、浮いた骨を指でなぞられ、みっともなくのびた皮をつままれた。
かなしくて、みっともなくて、涙が出た。

触れられたところから、腐っていく気がした。

くさる

くさる

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-22

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