黒猫バスケット

シマリス

目覚め!

【ここはどこ?ボクはだれ?】生まれて間もない黒猫の目が開いた。周りを見回すと、色は違うが同じような仔猫たちが、【ミャーミャー】と鳴き声をあげている。自分の足や体を見て、ボクも猫で色は黒と分かった。バスケットの中で押し合いへし合いしながら、兄弟たちとじゃれている。すると、バスケットの上から大きな猫の顔がのぞいた。兄弟たちは、しきりに食べ物を欲しがっている。【お母さん!】黒猫は本能的に悟った。優しく仔猫たちに食べ物を与えししぐさに暖かな愛情が満てていた。ボクの口へも食べ物を運んでくれた♪ しばらくすると、兄弟の一匹が少年の手で持ち上げられた。【お母さん、ぼく、この子がいい!】笑いながらダッコしている。どうやら、ご主人様がみっかったらしい。一匹、また一匹と、もらわれてゆく。やがて黒猫のボクだけがバスケットに残された。外の世界は、どんなところだろう?【恐い、でも見てみたい…】黒猫は、ゆっくりとバスケットのヘリに昇り、恐る恐るのごきこんだ。その時、軽くなったバスケットが、ひっくり返り、黒猫は外へ放り出された。母猫は黒猫を気遣い、優しく頭を舐めてあげた。【母さん、なぜ、ボクだけが残されたの?色が黒いから、嫌われているの?】黒猫は悲しげに母猫に訊(たず)ねた。母猫は優しく穏やかに答えた。【それはね、あなたが、いちばん、愛されているからよ。このお家のご主人様は、あなたを手放したくなかったのね~】【わたしが、仔猫の時にも、あなたの、おばぁちやん猫に、同じようなことを聞いたのよ…】黒猫の心は晴れやかな気持ちになった。

黒猫バスケット

黒猫バスケット

生まれて、あまり日にちが経たない黒猫の赤ちゃん。外の世界への興味は尽きません。兄弟たちが、次々と、旅立って行く中、一匹だけが、残されたことに疑問を持ちます。それには、確かな訳があることに、きずかされる黒猫の赤ちゃん。母親猫との暖かな言葉のやり取りにも心を留めて下されば幸いです♪

  • 小説
  • 掌編
  • 児童向け
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