私に○○はむいていない
初投稿です。
もう後には戻れない。私は今から強盗をするのだ。女だからとかは関係ない。私の名は佐々木結乃。可愛い名前をつけられたが、その名前をつけた親からもとある事情で見放されてしまってホームレスの生活をしていたが、我慢することはもはやできない。ぶっちゃけた話今回の強盗は、捕まってもいいと思っている。牢獄での生活もそこまで悪くないと聞いたことがあるからね。しかし、やるからには思いきりやってやろうと思っている。――――――よし、今がちょうどいいだろう。店長が外にゴミ出しに行っている今、店員は女子アルバイト1人しかいない。このタイミングを見計らって、結乃、いきますっ!
「オラァ、強盗じゃーい。」
「………。」
店員は目を見開いている。驚いているのだろう、恐れているのだろう。よし、出だしは好調、……まぁ、少し声が裏返ったかもしれないけど。おっと、ようやく店員は理解したようだ。
「金だせぃ、金‼」
「えっ、あっはい…………。」
店員は落ち着いている。
「あのぅ、………。」
「何だよ、早く金出せよ。」
「いえ、それなんですが、このレジ、ロックがかかっているみたいで暗証番号分からないんですよ。」
『暗証番号が正しくありません。暗証番号がわからない場合、初期化するか、モ〇ゲーのアバターを初期顔にしてサークルのkt〇rで叩かれてください。』
………今、この娘は何て言った?嘘だろ?てか何で店長はこの娘1人にレジ任せてんだよ。もし私が客だったら処理できないじゃんか。………多分嘘をついているのだろう。てかそうであってくれないと困る。きっと脅しが足りないんだな。次は人質作戦だな。
「おい、こいつがどうなっても……。こいつが……。」
重要なこいつの部分、つまり人質にする客がいない。こうなったら。
「金を出せっ‼これがどーなってもいいのか?」
「それはっ‼当店限定の店長フィギュアッ‼貴様そんなものを人質にっ。」
人質成功か?
「って店長ならそれを大事に扱っているからそういうかもだけど、私それ気に入ってないのよねぇ。」
「ぐっ、こうなったらお前を人質にぃっ//。」
痛。身を乗り出そうとしたとき鈍い音がした。
「あっ…。」
銃が相手の手に渡ってしまった。
「これは?……‼くらえー。」
パンッ‼
「きゃあああああああああああああああああああああ。」
バタッ。
……………。ここはどこだろう、何も見えないや。
「……夫?あっ、店長、少し休憩もらっていいですか?」
声が聞こえる。
「……ん。」
「あっ。気がついたぁ。急に倒れたからびっくりしちゃった。びっくりしちゃったよ。」
「え?え~とぉ。」
私は何してたんだっけ?確か強盗しようとして、いろいろ失敗しちゃって、銃で撃たれて?撃たれて?何で生きてるの?
バッ‼
起き上がり撃たれたはずの額を気にする。が何もない。で何で撃った本人はそんなヘラヘラしているのだ?聞いてみないとわからないな。
「え~と何で私は生きてるの?撃たれたはずじゃなかったっけ?」
「えっ?やだなぁ、そんな冗談言う?あの銃がおもちゃなことぐらい自分でわかってるでしょ?軽いから持った瞬間にわかったし。そしたら、意識なくなっちゃったから本当にびっくりしちゃったよ。」
そういって銃を見せてくる。銃口からは日本国旗が飛び出ている。そうか、また失敗したのか…。もう捕まるしないな。
「わかった。早く逮捕してちょうだい。」
すると、彼女は目を丸くした。
「どうしたの。私はもう罪にまみれたんだ。」
ようやく口を開く。
「あの~……。聞きづらいんだけど、それもギャグだよね?暇な私に即興コントを仕掛けてきたのかと思ったんだけど。」
………。こっちは本気だったのになぁ。
「コントだよね?店長ともたまにコントするから最初店長の女装かと疑ったけど。結構楽しかったよ。今度は私がコント仕掛けたいなぁ。ね?またコントやろうよ。」
輝かしい目。このまま罪をなかったことにしていいのか?いいのか自分?
「………………うん。」
「やったぁ」
言ってしまった。てか何も解決してないじゃん。ホームレスも、金銭面も。
「どうしよう。」
「え?何が?」
「いや、お金もないし家もないし。強盗コントもそういう気分だったからなんだ。」
我ながらひねくれてる、心の中で思った。
「そうなの?じゃあ家においでよ。私一人暮らしだから、寂しいしさぁ、ねっ?」
「でもお金はどうしよう」
「お金かぁ…………‼‼それならここでバイトしようよ。店長気楽な人だから大丈夫だし。見たでしょ?あの当店限定店長フィギュア。あれのせいっていうかおかげっていうかなんかここ有名なコンビニなんだけどそのコンビニの規定とかはずれてるから、売上いくら以上ないと潰れるとかないから店長が潰そうとしなければ潰れないから安心して。」
それもいいかもしれない。気持ちは複雑だけど。
「本当にいいの?」
「もちろん。」
「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな。」
「よし、あっそうだ、私の名前は逢坂咲ね。ちなみにさきと書いてえみだから。」
「あっ、私は……」
「佐々木結乃でしょ?」
「何で知ってるの?」
私の名はそんなに知られているのか?
「だって店に入る前に大きな声で独り言言ってたじゃん。」
「あ………。」
強盗は成功しても、いずれは捕まってたな。とほほ。
「じゃあ行こう。私の家へ。」
「おーい。まだバイトの時間終わってねーぞ。」
私に○○はむいていない
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