いつもそれは突然で

日だまりの中の少女

騒々しい朝

~♪♬♬♪~

そう、いつもそれは突然やってくる。

こういう大事な時に限って失敗から始まる。
大切な日に神様は意地悪をする。

「もう先輩行っちゃったよ」

私を起こしに来るや否や私にそう告げるお姉ちゃん。

なんで?
ちゃんと目覚ましもセットしたし、起きたはずなのに。

私は微かに滲む瞳でケータイのアラーム機能を睨み付けた。
どうやら私の設定ミス。

スヌーズを設定したはずなのにそれはうまく設定されてなくて
アラームは1度きりで止まっていた。

ただいま現在7時52分。
先輩は2分前にこの家を出発していた。

今日は朝の先輩の眠そうな顔を見逃した。
なかなかレアな先輩の顔。

私は気持ち大急ぎ行動はゆっくり目に準備をした。
ゆっくりしたかったんじゃなくて急げないだけ。

気持ちが焦りすぎてうまく動けないのと頭がまだ起きていない。
それに私は低血圧でそんなに動けない。

私は結構女の子にしたら活発で「か弱い」とかそんな
女の子の代名詞的な言葉は似合わないけどでも私だって弱い。

低血圧の貧血もち。
喘息とかアレルギーそれなりに持ってて
本当はすごいしんどいけど特別扱いされることが嫌いだから
頑張っちゃってるだけ。

だって特別扱いにいいことなんてない。
それですごい嫌な思いをしたから。

私は寝癖を直して急いで制服に着替えた。
6月の中旬から私の高校ではブレザーを着なくてよくなる。

私は夏は長袖のカッターシャツの袖を折って
七分丈くらいの長さにする。

でもそれは学校につくまで。

私の学校はクーラーがガンガンに効いてて寒い。

だから学校の教室に入ってしばらくしたら
セーターを羽織る。

「お姉ちゃん私のセーターはー?」

声に焦る気持ちが混ざる。

私のいうセーターはベージュのセーター。

「ああ、紺色ならある」

紺色?なんで。
ずっと前から回しておいてって言ったじゃん。

「えー。」

いま回したなら少し間に合うかも。

「いつ回したの?」

「30分前くらい」

もう間に合わない。
私はしぶしぶ紺色のカバンに入れた。

紺色はやだ。
だって太陽が集まって暑いんだもん。

私はカバンを持ってリビングに向かった。

「葵、今日お弁当作れなかったから」

そうママに言われて渡された1000円。

「えー今日サンドイッチ作ってくれるって言ったじゃん」

私はママに涙目で訴える。
今日は先輩と初めて一緒にご飯食べる約束をしていたのに。

「ごめんね、葵」

「もー葵お母さんを困らさないの」

お姉ちゃんはママにやさしい

ママは1番私にやさしい

パパはお姉ちゃんにやさしい。
でも誰もパパに特別扱いはしない。

強いて言うなら
私がパパとママに甘えてるくらい

ふと見たテレビで流れる星座占い。

「蟹座12位」

ありえない。

「ラッキーアイテムサボテン」

サボテンとか刺さっちゃう。

時刻は8時20分
やばい。

「行ってきまーす」

私は玄関まで走った

「あっっっ!!!!!!!」

気付いた時はすでに遅し。
私は派手に廊下で転んで頭を強く打った。

「いっっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁい」

私は廊下に無色透明の雫をいくつか忘れて
急いでローファーを履いて家を出た。

自転車の横で鳴り響いた音。

~♪♪♪♪♪~

それは私のケータイがEメールを受信したことを伝えていた。

「なーにぃぃ」

私は少しイライラしながら
Eメールを確認する

バックは真っ黒で綺麗にデザインされたデコメール。

私にメールを送ってきたのはクロウサギからだった。

「クロウサギ」

そんなの私に聞き覚えなんてない。

文面は特に何もなかった

ただ白を基調とした大きな扉の絵が張られてただけだった。

私はそれを気にせずに閉じて自転車のロックを外して
急いでいつもの道を急いだ。

真夏の太陽は容赦なく私に集中攻撃をする。
汗が額を流れる。

「はやく」
急げば急ぐほど全然自転車は先へ進まない。

角をいくつもまがった。
何回か信号につかまってたけどそんなの今日は無視。


「先輩の自転車の特等席に乗せてもらおうと思ってたのに」

勝手に口が気持ちを漏らす。

本当だったら私は昨日自転車の修理に行く予定だった。

ここ最近ブレーキの効きが悪くて危ないから
昨日なら時間はあったし今日は自転車の後ろに乗せてもらおうって
思ってたんだ。

もちろん途中まで。
だって学校の自転車置き場まで行っちゃったら大変なことになるから。

今日はっていうか自転車が修理から帰ってくる間だけ。

昨日行けなかった理由。

昨日暇だったし別に行けたんだけど。
朝は晴れてたし。

でも急にお昼くらいから雲が黒くなって急に雨降りだして雷鳴って
怖くて行けなかった。

でもたぶん大丈夫。
別にブレーキは絶対にかからないわけじゃないし

ちょっとかかりにくいだけ。
今日行けば全然問題ないはず。

私は信号をいくつも無視をして学校へ急いだ。
学校へ急いだんじゃない。

先輩に逢いたくて急いだ。急いでた。

私の足は何回も空回りしてそのたびにペダルから足は落ちて
足はペダルにぶつかって少し足が擦り切れた。

ちょっとの痛みくらい痛くない。
ただ先輩に逢えないほうがつらい。

時間的にはもう会えない。
そんなこと家を出た時から気付いてる。

でも私は信じてるの。
お前は幸せな奴だって言われても信じてる

揺らがない。

だって後悔したくないもん。

「もし」

逢えるかもしれないのに
諦めてて逢えたのに逢えなかったみたいなことになるより。

その反対で

「もし」

逢えないってわかってても急いだらたまたま会えた

みたいになったほうが幸せじゃん。

それに私は1度取り戻せない失敗をしてるから。
だからもうあの時みたいにつらい思いをしたくないの。

「明日はまだある」って信じてて明日はなかったとき
私の後悔はしてもしきれないから。

いつももしの事を考えてるから。

だからいくらどれだけ
先輩より理想に近い人に告白されても私は付き合えない。

だって
もし先輩にいつか告白されたらほかの誰かと付き合ってたら
先輩を私はふらなくちゃいけない運命になっちゃうんだもん。

そんなの辛い。

そんな都合のいいことが起きないこともわかってる。

私が先輩に似合わない女の子なことも誰にも言われなくても
痛いくらいに自分が1番よく知ってる。

でもたとえ先輩にに似合わなくても
いまから先輩に似合える女の子になれるかもしれないから。

だから。

私はどうにかいつもの交差点の上の坂道まで来た。
この時間にここにいればまだギリギリ学校には間に合う時間。

私はまた『もし』を疑って坂道の上から下を見下ろした。

そしたら


…奇跡は起きたんだよ。

地毛だけど薄いそれこそベージュ寄りの茶色い細い髪で
私にしたら大きい背中で

綺麗なうなじ。

後ろから見て分かった

「先輩…」

私の大好きな人でした。

私の大好きな人。
日向狐夏先輩(ひゅうがこなつ先輩)

でももしかしたら見間違えかもしれない。
でも

「もし」
先輩なら私は話に行けなかったことをずっと後悔する。

「もし」
先輩じゃなかったらごめんなさいで終わらしてしまえばいい。

「もし」
自転車のブレーキが本当に壊れてたら私は死んじゃう

「もし」
自転車のブレーキが壊れてなかったらそれでいい。

いまの私は怖がってる。
それはペダルの上においてる足ががくがく震えてることからわかる。

でも
私は逢いたいからペダルを1回回した。
私は信じてブレーキをぎゅって強く握った。

シャーって音を立てて自転車が坂道を降りていく。

向かい風が強くてうまく呼吸ができない。

ブレーキはどうにか効いてる。
私は本音ほっとした。

もう大丈夫だって思った。
その瞬間だった

ガシャンって音を立てたのとともに
ブレーキは壊れた。


「あわわわわわわわわわわわわわあわわわわわわわわ」

私は声を上げながら坂道を勢いよく滑っていく。
一瞬地上に触れて片方の足が履いてたローファーがびゅって後ろへ飛んでいく。

足元から上がる火花。

私そのまま勢いよく交差点に突っ込んだ。
私は交差点で大型トラックにぶつかった。

私の体は宙に舞う。
その瞬間私は意識をなくした。
なのに

わかった

ブレーキが外れた瞬間が

ふと足元を見ると
オレンジ色に飛ぶ火花。

私はおそらく先輩であろう人を見るまもなく
その大きな交差点に突っ込んでいった。

まるでその交差点は

私に向かって死が大きな口をあけて私を待ってるようだった。

自転車は何かに躓いて跳ね上がった。
私の体もハンドルを握ったまま跳ね上がる。

その瞬間全てはスローモーションで
懐かしい映像が頭の中で流れた。

「私、死んじゃうんだ」

死までの空間はすごい時が流れるのはゆっくりで
一瞬は1秒だけど、一瞬は5秒ほどに感じれた。

私は少しして右を見た。

ちゃんと見えたんだ。

大型トラックの運転手さんが凍りついた顔で私のほうを見てた。
私は怖くて目を閉じた

私はどこへ行くんだろう?

目を開けると逆さ向いてどこかへ落ちていく



「葵」

どこかで誰かが私を呼ぶ

「なに」

私は声にならない声で問いかける。
その瞬間返事は返ってこずにメールを受信した音。

そして目の真に現れた画面

書いてあったのは

「ここに大切な人の名前をうちこんでください」

私は少し悩んだけど言われるようにした

 
「琥夏 日向」

画面は読み込み中と表示された


「琥夏日向 (こなつひなた)」

私の大好きな人

またちょっとして画面は数字を次に表示した。

「100%」

なんだろうこの完璧な数字は。

私はしばらくして足から真っ暗な空間に着地した。

目の前には大きな扉。

「葵、もう振り返ってはだめ。その扉を開けて走りなさい」

そう。
私を呼んでたのは何年も前に亡くなった私の大好きのなおばあちゃんだった

私は重いその扉をどうにか開けて
眩しすぎる鮮やかな景色の中を走った。

只管無我夢中で。


―保健室―

「葵ちゃん?」

誰かの声がした

近いような遠い場所で

「ん………」

返事をしたくてもうまく返事ができない。

体は熱くて意識はぼーっとしてて

うっすらと瞼を空けてみると
先輩がすごい心配そうな顔をして私の顔を覗き込んでた

「ひゃっ!!」

私は驚いて先輩に背中を向けた
頭からかぶせられていた布団をかぶった

「葵ちゃん…」

珍しくいつもより低い先輩の声。

「なんですか」

「帰ろう」

何でいきなり?
いつもなら葵ちゃんは大丈夫だって言ってくれるのに。

「大丈夫です」

落ち着いた声で私は返事をする。
だってこんなに好きな人がこんなに近くにいる。

それなのに
どんな反応していいかなんてわかんないよ

「葵ちゃん熱あるんだって」

やだ。帰らない

「嫌です。この次の時間大好きな歴史なんです」

だって先輩と一緒に帰るなんてできない。
この空間にいるだけでおかしくなっちゃいそうなのに

これ以上はダメなの

「いいから」

「よくないんです」

それにバカな葵は頑張らなくちゃいけない。

「葵ちゃん」

「いいからほっておいてください」

きつく言ってしまった言葉に後から後悔する。
私っていつもこうだ。かわいくない。

私は周りと同じくらい女の子で、誰よりも不器用な女の子。

私の背中に少しの重みを感じた

「なんですか」

相変わらずかわいくない私。

「お願いだから無理しないでよ。
いきなり自転車置き場で倒れるし、俺心配なんだって
確かに葵ちゃんはいつも元気なのかもしれないけど今日は違うんだって」

先輩が私の小さな背中に頭を当ててそういう。
卑怯だよ。

私、お願いされちゃうとそれがいくらしたいことじゃないことでも
私は聞き入れちゃう。

「ね、お願いだから」

「うん……」

先輩とは付き合いが長い分
私がこういうことを言われたら断れないことも知ってる。

「…」

「葵ちゃんは一番付き合いが長くてかわいい後輩なんだから」

この言葉を聞いた時私はショックだった。
付き合いが短かったら、私はきっとこんなにもかわいがってもらえないんだ。

それに私は単なる後輩とでしか見られてなくて
後輩とでしかかわいいと思ってもらえないんだ。

この間聞いた話は本当だったの?

“日向先輩には年下のかわいくて好きな人がいるんだよ”

できればそうでないと思いたかった。

噂は単なるうわさでしかないと信じたかった。

年下だから私かもって少し期待だってした。
でも

羽美ちゃんが…。

私が日向先輩のこと好きってわかってるのに。
応援してるって言ってくれるけど羽美ちゃんは

「先輩ね好きな人がいてね年下の女の子だって!
私にも可能性あるかな?」

そういったんだ。

応援してるなんて嘘。
羽美ちゃんだって日向先輩のことが好きだった

私はとっさに思った。
このまま一緒に帰っちゃったら友達をなくすのかもしれないって

だから

「やっぱり帰らないです」

笑顔でそう答えて
自信なんてなかったけど

ベットから降りようとした

そしたら後ろから思いっきり腕を引っ張られた。
私はそのまま日向先輩の中に入っちゃた

腕の中に…。

真夏の暑い日。
セミの声だけが聞こえる保健室。

少し何かを期待してしまう

ね。
私は卑怯者で夢見る女の子

「離してください」

私は先輩からとっさに離れた。

「葵ちゃん…」

なんでそんなに落ち込んだような声になるの?

「先輩には私の気持ちなんかわかんない」

私の頬に何かが伝う。
それは苦しい気持ちの冷たい跡。

別に悲しくなんかない。
当たり前のことだよ

「わかるよ」

「わかんない」

「葵ちゃん」

先輩に初めて怒鳴られた。

日常

「葵ちゃん」

意識の遠くで誰かの声がした
決して高くはない声。

私は少し唸りながら瞳をゆっくり開けた。

「葵ちゃん?」

私は瞳を開けると私の顔の上で心配そうな顔をしてる先輩がいた。
そうだ、私熱出して倒れたんだっけ。

「あっ…」

私は照れて布団をかぶった

「葵ちゃん、大丈夫?」

少し落ち着いた先輩の声。
私はその声にまた眠気を誘われる。

「…」

しんどすぎて全然答えれない。

「葵ちゃん帰ろう」

先輩がそういう。

「やだ」

「ダメだよ」

私は先輩に背中を向けて拗ねたようにした。

「葵ちゃん」

このまま先輩と一緒に帰れない。
帰れない理由があるの。

「やだ」

「葵ちゃん」

「先輩にはわかんない」

「葵ちゃん」

やだって!!」

「葵ちゃん!!!」

先輩に初めて怒鳴られた。
私は悲しくて泣いた。

一緒に帰りたい。それが本音。
でも一緒に帰っちゃったら海に見られたら

もうどうにもならないじゃん。
だから帰れない。

「葵ちゃん何を気にしてるの」

「先輩は知らない」

「なにが」

やばい、先輩を怒らしてる。

「先輩のこと好きな人この学校にいっぱいいるんですよ
なのに一緒に帰れない」

「大丈夫だから」

先輩は私に背中を向けてしゃがんだ
私は先輩のほうを見た。

「はやく」

「やだ」

「早くしないとばれちゃうよ」

なんでこんな時にそんな意地悪なこと言うの。

「…」

私は先輩の背中に乗った。

「重いですよ」

「軽いから」

先輩はそういうと
少し急ぎ足で保健室を後にした。

私と先輩は
どうにか誰にも見つからずに学校を抜け出した。

早退届は先輩が私の担任に出しておいてくれた。

私は先輩にカバンを預けた。
先輩は私の前に自転車を出して

「乗れよ」

そういった。
先輩はこんなにいつもワイルドじゃないのに
こういう時だけこうなる。

「ありがとうございます」

私は先輩の自転車の特等席に乗った。
親友が先輩のこと好きなのはわかってるけどでも
やっぱりうれしいって思ってしまう

夏風の中先輩の背中。
甘酸っぱい恋の匂い。

それは先輩がひそかにつけてる先輩の香水の匂い。

ラズベリーの。

私は先輩の背中にギュッとしがみついた。
しんどさで少し力が弱まっていく。

「大丈夫か」

信号に引っかかった時先輩が声をかけてくれた。
でもその声すらいまは少し遠い

「おい、葵ちゃん」

「らいじょうぶです」

大丈夫が言えない。

先輩はそこから私が落ちないように。
急いで私の家まで自転車を走らせた

私は意識がもうろうとしていく一方

先輩は私の家まで送るや否や必死に私のお母さんに
説明してくれた

「ありがとね、日向くん」

日向先輩は優しくて、でもその優しさが時には苦しい。

私は先輩に背負われて部屋まで行った。

「待って」

私がそういったのは私の部屋の前。
今日の朝はそういえば急いでたんだっけ

「なんで」

「散らかってるから」

「えっ…俺気にしないよ?」

その二人の会話にママが

「今日片づけておいたから大丈夫よ」

そういって私の部屋のドアを開けた。
私の足の踏み場もない部屋はきれいに片づけられていた。

ママに感謝。

私はベットの上に降ろされた。
私はベットの上にちょこんと座った

「じゃあこれで」

先輩は帰ろうとする。
なんで?

帰るのは当たり前。
わかってる

でもこんな時だからこそ帰らないでほしい。

もっと一緒にいてほしい。

でも
勇気がなくて言えない

だけど

私の人差指と親指が確かに先輩のカッターシャツの裾を捕まえていた。

「葵ちゃん?」

私は何も言わないでただただ先輩の裾を掴む。

「葵…」

ママも困ってる
わかってる

でも今日だけは帰らないで
妙に寂しい、今日は。

「やだ」

少しかすれた声で言う。

もし先輩に風邪がうつっちゃったらそれは嫌だ。
でも、今日だけは帰らないでほしいの

「…」

ママと日向先輩は目を合わせたまま固まってる

「葵、今日だけだからね」

ママは呆れたような顔で言う。
日向先輩はひとり暮らしのためにOKしてくれた。

二人きりの部屋にさす茜色の夕焼け。
沈黙が訪れる。

「大丈夫?」

ほら、またやさしい先輩になる。
体調は少し良くなってた。

なに?
恋のパワーとか言っちゃう?

「大分ましになりました」

「ならよかった」

その見せてくれる笑顔反則です

「葵ちゃん今日の5限の授業何だったの?」

「なんでですか?」

「帰ろうって言ったとき嫌だって言ったから」

「えっ………それは」

「まさか俺と変えろの都合悪かった?」

悪いといえば悪い。

「そうじゃないですよ
5限の時間社会だったんです」

「そういえば葵ちゃん社会すきだったよね」

「はい」

「そりゃ嫌だよね」

先輩は少し苦しそうな顔をした。
私は先輩の笑顔につられて笑う。

この景色が違う形でずっと続けばって望む私は卑怯ですか

「葵ちゃん何か飲む?」

「はい、何がありますか」

「いちごミルクあるけど(笑)」

悪魔な先輩になった。
みんなは気づかない私だけが気付く顔。

「飲みます」

私は体を起こして先輩が少し高く挙げるいちごミルクに手を伸ばす

「普通にあげるわけないじゃん」

先輩が男の顔になった。

「えっ??」

私は頭がパニックになる。

「キスしてくれたらいいよ」

私の耳元で先輩が言う。
確かにそれはうれしいこと。

別にしたことないわけじゃないし
でも好きだからこそできないものもある。

それに

先輩と葵は付き合ってないのに…。

私は俯いた。
自分の顔が恥ずかしいほどに赤くて…

「ぷはぁぁぁぁぁ」

先輩が笑った
葵は驚いて先輩の顔を見上げる

「なわけないやろ」

先輩がめったに使わない関西弁が不自然すぎて私も笑った。

「もう」

私は怒って先輩の肩を少し叩いた。

「なんや?」

先輩は私に意地悪な表情を見せた。
私は赤く染まった顔で先輩を睨み付ける

「少しはいつもの葵ちゃんに戻ったみたいでよかった」

その言葉に私は前髪を抑える。
こういう先輩を知ってるのはきっと私だけ。

でも、その笑顔で時々どうしようもないほど苦しくなる。
ねぇその表情に期待しちゃう私はバカですか

私は先輩に安心してまた夢の中に私は意識を移した。

「あおい、御飯よー」

ママの声に私は目を覚ました。
窓の外を眺めると星がきらきらしていた。

「葵ちゃん、立てる?」

先輩の手を持って私は起き上がる。
まだ足元がふらついてうまく歩けない。

私は先輩の肩を借りてリビングに降りた。

今日は私の好きなポテトサラダがあったけど
私の場所にはおかゆが用意されていた。

私は冷蔵庫の中の熱さまシートと張り替えて席に着いた。
先輩の座る席は私の目の前。

食べることは好きなのに先輩がいるせいでうまく食べれない

「葵、あんたよかったわねー」

お姉ちゃんが隣から冷やかす

「なにが」

鼻声で私は返事する。

「大好きな日向先輩が今こうやって家族も同然に食事をしてること」

ねぇ、なんで言っちゃうの。
なんで私が先輩のこと好きなこと言っちゃうの

私は何も話せなくなった。
少しはごまかせれたらいいんだろうけど

図星過ぎて何も言えない。

「そうなの、葵ちゃん」

先輩が口いっぱいにご飯を頬張りながらにやにやして私のほうを見て言う。
もぉ先輩までなんなの

「好きですよ、先輩として」

私は満面の笑みで返事をする。

「あんた本当に素直じゃないね」

ってお姉ちゃんが不満そうな顔で言う。

私と日向先輩は食事を終えるとまた私の部屋に戻った。

「すいません、さっきは姉が」

「いいよ、気にしてないから」

満面の笑みで返事。
少しは気にしてほしかった。

「今日は星空綺麗だね」

「確かに!」

「外出る?あんまり無理はさせれないけど」

いつもそれは突然で

いつもそれは突然で

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-14

CC BY
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  1. 騒々しい朝
  2. 日常