浮気症の彼氏との付き合い方?!
私は普通...なはず。
私、峰田彩乃は普通女子だ。これは自信を持って言える。
勉強や運動もそこそこ出来て、友達とも上手くやってるし、先生や周りの大人ともいい関係を保てている。
だけど、ただ一つ。普通ではないかもしれない事がある。
中学の時から付き合っている彼氏、藤井俊也はかなりの浮気症。
中学時代は普通にラブラブだった私たち。高校に上がった始めの方もラブラブだったのに、高1の二学期あたりから浮気するようになり私への態度が冷たくなった。
最初は怒らせているかと心配で不安で仕方なかったが、そうなった理由は言わないし、かと言って別れるわけでもないしさすがの私も呆れている。
でも、それでも私は俊也が大好きだから俊也が私のところに戻ってくるのを今はただひたすらに待っている。
早く戻ってきてよ、俊也...
そんなわけで私の恋だけは普通じゃないかもしれません。
私の親友
はぁ...今日も俊也は別の女の子と登校か。
私は寂しくぼっち登校。
まぁ、もう慣れたんだけどね。最後の一年俊也と登校出来る日はくるのかなぁ...
ピロリロリン〜♪
ん、電話?誰だろう......
〝野田柚奈さんからの着信です〟
あ、柚奈だ!
『もしもし、彩乃?』
「おはよう、どうしたの?」
『どうしたのって今日遊ぶ約束したじゃない。もうとっくに時間過ぎてるんだけど』
「え、今日学校でしょ?」
『何言ってんの?今日はお休みでしょ、何とかの日とかで。とりあえず家で待ってるから早く来てよね』
ーブツッー
わお、今日お休みだったの忘れてた。
急いで帰って支度しなくちゃ!
「はぁはぁ...」
やっと柚奈家に着いた...まだ春なのに今日は暑いな...
「お、やっと来た。遅いよもう!どれだけ待たせるのよ!」
「ごめんごめん、今日学校かと思って普通に登校しちゃった」
「だろうと思った。ほんとドジだね。さ、上がってよ」
「お邪魔しまーす」
いつも思うけど柚奈の家はすごく綺麗だ。それとバカデカイ。
柚奈の家はお金持ちであの有名企業野田グループの娘でもある。
そんな大事なことを17年間も一緒にいて最近知らされた。
ほんと柚奈ってなんかなぁ...
わがままでお嬢様で口が悪いけど私は柚奈が大好き!
優しいし、照れると可愛いし、まず容姿が可愛い。
148という超低身長に真っ黒で綺麗な長い髪、目はクリっとしてて可愛いけどどこか凛としていて生まれつきの青い瞳で見つめられると目が離せなくなる。
柚奈は本当に自慢の親友だ。なんでも完璧にやってしまうからね。
周りからはお金目的でつるんでるんだろとか言われるけどそんなわけない。
柚奈は一生に一度出会うかどうかの奇跡なんだ。
本当柚奈に出会えて良かった!ありがとう。
「何ニヤつきながらこっちを見ているのよ、気持ち悪い。早くお菓子とお茶飲んで部屋へ行きましょう」
「はーい」
「それで?藤井とはどうなのよ」
うっ…何も出来てないとか柚菜に言ったらまた怒るんだろうな…
「ま、まぁ、その…」
あああ…すごい喧騒で見てくる柚菜。
怒ってる、怒ってるよ!ついつい下を向いてしまう。
何か言われるのを待つこと1分。
あれ…?顔を上げると柚菜が辛そうな顔でこっちを見ていた。
「え?!ちょ、どうし…」
「バカ!」
へ?
「彩乃がこれだけ藤井のこと想ってるのになんであいつはこうも放置できるの?!ずっと想ってたけど藤井ってほんとバカ!早くあんなやつなんかと別れればいいのに!」
いい終わった後、柚菜は自分の言ったことに気づいて慌てて謝ってきた。
柚菜はいつもこの話になると俊也のことを怒ってくれる。
ありがとう、嬉しいよ。私のこと考えてそこまで怒ってくれるだなんて。
でもね、柚菜。あんなやつだけど私はバカだから大好きなんだ。
「ありがとう、柚菜」
そう笑顔で言うと柚菜は安心したかのように笑った。
ほんと可愛いなぁ
「彩乃、私にいい考えがあるの」
いい考え?
「もうすぐ四駅ぐらい先のとこで春祭りが開催されるじゃない?それに思い切って誘うのよ、藤井を」
なるほどなるほど…それは名案…って、えええ?!
「無理だよ!!!」
「そういきなりは無理だから明日から藤井を彩乃にもう一度振り返らせる計画を実行させようと思うの」
「何その計画!!!私知らなかったよ?!」
「まぁ、そういうことだから明日から藤井にアプローチしてね。頑張って」
他人事だと思って…そんな勇気あったら苦労しないよ〜!
でも、そうだよね、ここでずっと立ち止まってても仕方がない。
私から走り出さなくちゃ。…よし、頑張るぞ。
「柚菜!私頑張るよ!」
「そうこなくっちゃ!」
なんでだろう、明日がすごい楽しみ。
私なりに頑張るよ、柚菜!
浮気症の彼氏との付き合い方?!