いるかのほし39 ワイハハ島は、おへそ

ワイハハ島は、おへそ

 「あの・・・・・。ピコさんですかぁ・・。」

 ワイハハ島の「ウミガメ☆イルカツアー」
 集合時間の9時、集合場所のヨットハーバーに来てみると、けっこうな人数が、すでに集まっている。
 
 オカキは、鼻やほっぺ、耳に後ろまで、しっかり日焼け止めを塗って、いつでも海に入れる状態。
 ココとクックは、新しいスイムウエアー。前のがもう小さくなったから、出発前にピコが探した。

 ビーチサンダルはなんとかがまんして、前回のを履いてきた。
 クックが、はなおが痛くて、ばんそうこうが欲しいなんて、言ってくる。
 ココは、今回はサングラスを持ってきていた。いつのまに・・?でも、けっこう似合っている。
 ピコは、出発前に友達にペデイキュアを塗ってもらった。ピンクのライトストーンが足元で光っている。

 貴重品を預けたロッカーの鍵をオカキに渡している最中に、ピコたちに近づいてきた一人の男性。

 「zuttoーtuarese」という白いロゴが、着古して色あせた青いTシャツにプリントされている。

 挨拶もろくにしないうちに、脂っこいもったいぶった口調で話し始める。

 「いや、特別なんですがね・・・・。こんなこと、めったにないんですよ。でも、特別に待遇させていただきます。」

 はぁっ?何?この人、なんかうさんくさい!!

 一瞬で、そう感じたピコ。オカキは、クックにばんそこうを渡している。

 「いやねえ、今回、「イルカ☆ウミガメツアー」にお申込みいただいてた、別のご家族がキャンセルなさいましてね・・。
 それで普段はできないことなんですけど、特別、ピコさまご家族には、「スペシャルアクテイビテイー欲張りパック」付きツアーの方といっしょにご参加いただこうかと。もちろん、追加の料金はいただきません。今の料金のままで、アクテイビテーにも、ご参加いただけます。よろしいですよね。」

 ・・・・・・。よろしいですよねって、じゃあ、嫌ですって言ったら、どうなるねん・・・。一瞬考えようとしたら、「酔い止めいる方、いらっしゃいませんか?」と、別のスタッフが声を張り上げている。・・・!!忘れてた。波酔いしてしまうピコは、「はい!!」とそのスタッフに合図をした。振り向いた時には、すでに男はピコたちから離れて、集まった人々を先導し始めた。

 ・・・・・。なんか、嫌なおやじ!!ピコたちも、他の人につづいて、ライフジャケットをつけボートに乗り込んだ。

 (昨日は、ごめんなさいでした。39回まで来ました!!ピコは、カルイと会えるのかしら・・・。来週もよろしくおねがいします。
よい週末をお過ごしください!!)

いるかのほし39 ワイハハ島は、おへそ

いるかのほし39 ワイハハ島は、おへそ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-12

CC BY-NC-ND
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