他人の悩みと優越感

「いっつもヘラヘラ笑っててさ〜、悩みとか無いんでしょ!?将来の事とかちゃんと考えてんの!?」
そう言って私の事を見下しているあなたの方が、私から見たら何も考えていないように思えるのです。
笑っていちゃいけませんか?
悩みなんて無いかのように振る舞っちゃいけませんか?
そりゃあ人間ですもの、悩みの一つや二つ、私にだってありますよ?
けど、それら全てをあなたのように他人に愚痴ったり、誰かと自分を比べて優越感に浸ったり、逆に当たり散らして泣き喚いたり…
それは果たして、本当に有意義な人生と呼べるのでしょうか?

あなたのように、お金が無いと愚痴れば天からお金が降ってくるのでしょうか?
あなたのように、出会いが無いと不貞腐れれば、良縁に恵まれるのでしょうか?

私が泣けば、母の病気は治りますか?
私が狂ったかのように喚けば、事故で急死した父は戻ってきますか?

そんな事は有り得ないというのがわかっているから言わないのです。
こんな誰にも解決出来ない悩みなんて、聞かされた方も困惑するだろうと思うから顔にも出さないのです。

そうですね、一つだけあなたに言うとするならば…
あなたのように、お金がないだの出会いが無いだのの悩みは、自分の努力次第で解決出来ますよね?
私の悩みは、自分の力じゃどうにも出来ない悩みなのです。
「あなたと私とじゃ、そもそも悩みのレベルが違うのよ」と
私もあなたに優越感を抱いているのかもしれませんね。

他人の悩みと優越感

他人の悩みと優越感

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-11

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