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なんにも期待してなかったから
後ろ姿見てもなんにも感じなかった
それより耳元で蚊が鳴いてて耳障り

食べるのは昔からきらいで
気持ち悪くなるから苦痛だった
それをそんな風に怒られても
わたしはどうしたらよかったの

パンケーキやカレーライス
おかあさんが作るからあげ
好きなものはたくさんあるけど
食べたくないなんにも食べたくない
まだ蚊が鳴いてる うるさいなあ

さよならのために
わたしとの食事が嫌いだったなんて言われてもわたしは君が好きだったよ
わたしのだいきらいな納豆を美味しそうに食べる君が好きだった

すべてが猛スピードで過去形になっても
納豆をあんなに美味しそうに食べる人は君しか知らなくていい


それでも一応毎日ごはんを食べている
味なんか気にしないでお腹だけ満たしていたら5キロ太った

可愛さなんて元々ないからただのデブ
笑ってくれる君はもういないんだったね

ごはんなんて食べないで光合成して生きていきたい
吐き気はいつもなくならないし吐けないからすっきりしない

おかあさんのごはんだけが本物
あとはぜんぶ食べたくない 君とじゃなきゃ食べたくない

さよならのために
わたしとの食事が嫌いだったなんて言われてもわたしは君が好きだったよ
君との食事だけが好きだったんだよ

霞んでいく後ろ姿
耳元ではまだ蚊が鳴いていて
君のはなれていく音が聞こえなかった

もういまさら泣くタイミングではない

だから
ちょっとだけ
泣いた 


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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-11

Copyrighted
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