近未来小説「 Neo Border - The near future -」

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The near future <AIの涙と世界ユール>027

先行していたチームはこの回廊を突破できていませんでした。

この賢覧豪華な回廊にふさわしくないシーンがここにあります。
Louis は最後に言いました。

「マグニもシールド(対BC兵器装備)が効くが少し遅かった。スルーズは大丈夫か? ふぅー、William、恋人を失ったからといって短気を起こすなよ。
お前に俺の命を託す。

いいかわすれるな。
目に見える事象にまどわされるなよ。視覚や頭脳は本質を見ている訳じゃあない。
自分の本能、感覚を信じろ。それがここを抜ける唯一の術だ。
そしてかならずこの馬鹿げた戦いを終わらせろ。

俺はここで歴史を残すが、お前は人類の道を残さなければならない。
今度こそ本当に進むべき道を。後は任せたぞ」

「なぜなんだ・・・」
そしてWilliamが声を殺した。

Louis はWilliamを直視し語る
「これほどの吐き気を感じた回廊はなかった・・・」
「だが、おまえもこうしたはずだ。」
そして
Louis は眠りについた仲間をゆっくりと見渡し、
「・・・おれたちのゴースト、新しい未来に持っていってくれ」
「たのむ・・・」



唯一かろうじて生き残っているこのチーム内の<AI Magni マグニ>は混乱し、痙攣をおこしているが状況を伝えてくれた。

・・・AIも涙を流す

「ほんとうにもうしわけない・・・ほんとうにごめんなさい」



しかし、みなを追い立てるように<AI Freyフレイ>から入電。

「冷血な女性研究員(Alice jonsson)を別チームが拘束。
ルートのセキュリティは解除したが、回廊のセキュリティは確認されない。
また、僅かの合間をぬった外部への送信の可能性が発見された。

今回のメインミッション「<AI Njordニョルズ>の一遍のプログラム稼働させる」という内容を<AI Ranラーン>が 入手したとするならば、すぐさま「Shining Candy」8号機の大規模なチェックが始まるだろう。 そして我々のコンプリートより先に<AI Njordニョルズ>の一遍が発見されれば、


・・このミッションは何の意味もなくなる・・・」


「極限を、なお超えてここまで来たのに・・・」Thjalfi(シャールヴィ)は悔しさで震えている。


するとLouis の<Little AI>にアクセスしていたWilliamが突然
「そういうことか・・・」こぶしを震わせ立ち上がり、叫んだ。

「フレイ!回廊のセキュリティはスタンドアローンだ。セキュリティマップは常に可変し、そこからはサーチできない。 動けるAIを回廊にまわし、このエリアのブロックに片っ端からアタックさせてくれ!」

そして
Williamは、Thjalfi(シャールヴィ)を直視

「俺たちは、仲間のゴーストを持ち帰り、新しい未来に持って行かなければならない」

Williamは、隊員一人一人を直視

「俺たちは、誰もあきらめたりはしないし、後悔もしない」

Williamは、スルーズ、マグニを直視

「俺たちは、勝つために今ここにいる!」

「負ける者がこれほど最悪な地獄のカーニバルの舞台に生きて立っているわけがないじゃないか!」

「さあ、行こう!。未来は俺たちが切り開くんだー!」



「スルーズ!」

「わかっています。時間がありませんね。私が先行しサーチし、マグニに後方を任せます。ただし不規則性タイプは隊長ほうが優れています」

「そうさ、すべてLouisから学んだ」 「そして、今はそのスキルは何百倍にもなった」
そう言いながら最後にLouisから手渡されたアイテムをWilliamは装着した。


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フルマスクの完全防備では子細な変化をよめず、 電磁アタックでのダウンで永遠の暗闇を得
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電脳マスクの防備では一瞬の幻覚で未帰還者となる
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無防備にすれば重火器等、一瞬で頭が消滅するでしょう
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あの回廊の阻止因子は全て自立し、 何の束縛も受けず私たちを守るために目的を実行し続ける
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そう、
あの回廊は
何人たりとも通り抜けることはできない。
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だが
それでも通りぬけられる者がいるとするならば
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それは
ゴーストのみである・・・・*****。
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(Williamの手記 ”Alice jonssonとの出会い” から)



やがてWilliamたちは傷つきながらいよいよ回廊の終わりに、天をも突き刺す巨大な扉にたどり着きました。

「ありえないが自動ではないな」

「物理的力か、破壊?しかしそれだけの物がありません」

「時間も」

「私が押し開けます」<AI Magni マグニ>が最後尾から少し難しそうだがそれでもしっかりとやってきました。

「やらせてください」

ここで先頭に立っていた<AI Thrud スルーズ>が倒れそうになったのをWilliamがすかさず受け止めた。 唇の色が変わり、小さく痙攣を起こしているがはっきりとした口調で

「彼に任せましょう。あれが彼の特殊能力です」

<AI Magni マグニ>はゆっくりと巨大な扉に両手を押し当て何かを確かめると、 一瞬後、とてつもないオーラが発せられたかと思うと、 最初は小さな音からやがて大地を揺るがすような轟音と共に扉がゆっくりと開き始めた。

誰も言葉が出なかった。

ゴゴゴォー

やがて人間が通れるほどに開けた時、<AI Magni マグニ>はゆっくりと倒れた。

「マグニー!」 ・・・


「残念ですが私もマグニもここから先に進むには、足手まといとなってしまいます」

「すまなかった、無理をさせてしまったな。少しここで休んでいてくれ。ただ、難しいのは解っているがバックアップを頼めないか?」

「もちろんです。命に代えてもこの扉と退路は確保します」

「ありがとう、お前たちが俺たちの唯一の希望となる」



Williamたちは、最悪な地獄のカーニバルの舞台からレッドカーペットへと向かった

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  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-09

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