Ukiteegatakimono

見たことのない
聞いたこともない
今がそう
その一瞬で

想うことも
触れることも
叶わない
その一瞬が

去った
消えた
揺れた水面は既に静まり

去った
消えた
映る刹那が色褪せていく

もう一個僕が何かを賭しても
二個三個君に意味を捧げても
無慈悲に不甲斐なく
今日も今日が焼き尽くされていく

灰になった歴史に立って
色のない時間を想って
脳みその中からそれを掴もうとする

音のない言葉を使って
聴こえないことをいいことに
頭蓋骨の中から違う世界を創り出す

出来上がった
崩れた
出来た
崩した
おかしいな
どこかな
どんな形だったかな
近いな
でも違うな
造って
壊した
おかしいな
おかしいな
元の色は消えてしまった

もういっそ僕の記憶のフィルムを
焼き切って違う意識の未来を
創ってまた壊して
また何度も繰り返して
まあいっかなんて口癖流して
捨て去って投げた先はその未来で
破っても隠しても
どこまでも付き纏ってくるんだよ

Ukiteegatakimono

Ukiteegatakimono

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-09

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