《神霊捜査》第三部  〆縄の呪い

《神霊捜査》第三部 〆縄の呪い

《目次》
第一章 殺人事件
(1)偽装殺人事件
(2)犯人逮捕
第二章 五節句の呪い
(1) 五節句の意味
(2) 下見調査k
第三章 怨念の救済
(1) 原因究明会議
(2) 鳥居の因縁

第一章 殺人事件


(1)偽装殺人事件

博多南西署の捜査一課に緊急の連絡が入った。
トバケンとちんちゃんは殺人事件の疑いがある事件と云われて現場に急行した。
場所は、五島家の近くの稲荷神社であった。
現場に着くと、本殿の裏の社叢にある大きな樫(かし)の木の枝に中年の男性がぶら下がっていた。
首を縄でくくられて、ぶら下げられていた。
この神社は、古墳の上に造られていて、社叢の途中から坂になっていてその斜面に生えた樹木は格好の首吊り場所に見えた、現実にここは、すぐ前に大きな老人病院があり、何人もの人生を悲観した病人の自殺場所になっていた。
この神社では鳥居に〆縄を張ることを禁止している。
理由は境内の案内板に書かれてあった。

「上長尾稲荷神社の言い伝え」として次のように書かれてあった。

「筑前国続風土記拾遺によると安徳天皇が、ある年の大晦日に太宰府から、糸島群吉井に遷座された際、白馬に乗って、この地区を通り過ぎようとされたが、誤って、〆縄に引っかかり、井戸に落ちたと伝えられている。それで上長尾地区では、白馬を飼わない、正月の〆縄は飾らない、井戸は掘らない、との言い伝えあり。」

トバケンは 木から下ろされた死体を見て、首をひねった。
吊るされた縄の所々に御幣を引きちぎった後が見えていたのだ。
急いで入口の鳥居の所に戻って確かめた。
そこに飾られているはずの〆縄は無くて、支柱の竹竿も置かれて無かった。
どうもおかしい? と思ったトバケンは、死体の所に戻り、鑑識課員に言った。

「死因の特定はできるのかね?」

「いえ、どうも暴行の後が見えて、複数の足跡もあり、争った様子もありますから、解剖に回した方が、いいと思われます。」

「身元の解る遺留品はあったか?」

「いえ、なにも持っていませんし、パジャマ姿ですから。」

「よし、ちんちゃん、君そこの上長尾老人病院に行って、入院患者が居なくなっていないか、調べてこいよ。」

「ハイ、了解しました。」

病院に飛んで行った、ちんちゃんが、看護師を2人連れて戻って来た。

「課長、1人の患者が昨晩から行方不明になり探していたそうですから、確認をしてもらいます。」

看護師達の確認で、入院患者の根本修三、61歳と判明した。
解剖の結界、死因は頏部圧迫による窒息死と判ったが、全身に多数の打撲傷が認められた。
境内の掲示板を読んだトバケンは、この神社の神主に、事情調査を兼ねて、会いに行った。
この神社は、社務所はあるものの、無人で、祭日だけしか使わない為、雨戸が閉められて、閉っていた。
神主は、隣町にある大きな五所神社の神主が兼務していた。
神主曰く、この上長尾稲荷神社は、歴史は古いが、変事が多く、信仰者が片寄っていて、少ないことと、前の神主が、やはり社叢で自殺したとのことだった。

「何故、自殺をしたのですか?」

「あの神社は呪われています。今頃の時勢に合わないからという総代会議の結論を許した前の神主が、〆縄を張ることを許可したところ、たてつづけに、その〆縄で、向かいの老人病院の患者が3人も境内で、首吊り自殺をしたのです。
それでそのことを悔いて、悩んだ末、神聖な神社を穢した責任をとって、「この神社は以後〆縄を飾るな」という遺言を残して自分も首を吊って死んでしまったのです。

「では、あの神社には〆縄は飾って無かったのですね!」

「 ハイ、神主が死んで以降、もう3年も飾ったことはありません。」

署に戻って トバケンは、署員に上長尾稲荷神社の近所の神社や、仏閣で、〆縄を飾っていそうなところを全て調査して、〆縄が無くなっていないか調べるように指事した。

「ちんちゃん、害者の根本修三の過去を徹底的に洗ってみてくれ!」

と、指事もした。課員は全員捜査に出て行った。
そこに、シンレイ課長の本郷と柘植誠一が、ぶらりと現れた。

「おや、先輩、どうされたのですか?」

「なに、伊藤署長にこの間の事件の報告に来たついでに、懐かしくなって、覗いてみたんだ。皆んな頑張って捜査しているようだね!」

初めて第一捜査課の部屋に入った柘植が珍しそうに周りを見渡していたが、黒板の写真に目を止めて、

「おや! 根本じゃありませんか?」

と、近づいて確認した。

「おや、誠ちゃん、この男を知っているんかい?」

と、トバケンが訊きかえした。

「ハイ、よく知っています。自分は中洲署の丸暴をしていましたので。
こいつは、金剛会の若頭でしたから。死んだのですか?」

「ああ、今朝、上長尾稲荷神社で、殺されていたよ。たぶん殺しと思っているんだが。首吊りしていたんだ。」

「こいつが自殺? そんなことをするような柔な奴ではありませんよ。誰かに殺されたのでしょう。敵の多い奴でしたから。」

「ちんちゃんが調べに行っているから、なにか解るだろう。誠ちゃんいい情報をありがとうよ。」

「いえ、こんなこと位。奴は薬の売人を使っていましたから。金剛会の会長が、殺人罪で勾留されてからは、だいぶ私服を溜め込んでいたという噂があった奴ですよ。」

「成る程、その辺に原因がありそうだね。ありがとう。」

「それじゃ、そろそろおいとまするよ、皆んなに宜しくな。
我々に関係があれば、また連絡してくれよ。

「何のお構いもしなくて、すみません。」

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(2)犯人逮捕

ちんちゃんの捜査報告は、やはり、シンレイ課の柘植誠一から聞いた話の通りだった。
その上、金剛会の会長が殺人罪の立件の証拠不足で、不起訴となり、釈放されていたのであった。
トバケンは、中洲署の丸暴と情報を共有して捜査に当たることにした。
彼等からの情報で、捜査協力者から、有力な情報が入った。
中洲署丸暴と博多南西署捜査一課との合同捜査ということで、金剛会の会長他5名が逮捕され、本部のガサ入れが行われ、証拠品の中から、薬物の代金の流れの証拠となるメモが見つかり、根本が猫ババしていたことが殺人の原因と判明した。
出所した会長が、根本の裏切りを知り、組員に命令して、4人が夜、病院から、根本を誘拐して、神社で、自殺に見せかけて、殺害したと判明した。
金剛会の近所の山王神社から〆縄を盗んで来たことも判明した。
こうして事件は解決したが、トバケンはこの話を神霊捜査課長に話して、協力のお礼を伝えた。
この話を課長から聞いた 雫は、何か心に引っ掛かるものを感じた。

何故にこの上長尾神社では、〆縄の問題が起こったのだろう?と疑問に思い、調査する気になり、真ちゃんを誘って、上長尾稲荷神社に出掛けた。

上長尾稲荷神社の20段近くある階段の前に、鳥居があり、雫はその石の鳥居に神気を感じとっていた。陰気な辛い思いの神気であった。
雫はそこから登らずに、左に回って、別のスロープになった長い登り坂から登った。
その道には稲荷神社特有の真っ赤な木の鳥居が、何本も立っていた。
真はその道を通るのに少し脅威を感じたが、雫は平気であった。
本殿の広前の隅に由緒書きが立ててあった。
本殿を左回りして周回浄めをした二人は拝殿でお詣りをした。

「あれ!イナリ様は居ないみたい。他の地系の神様がおられる。」

と、雫が言った。
帰りは石段を降りて、例の鳥居の前に来た時、石の鳥居の柱の隅に、

「京都、亀岡、愛宕神社寄贈。」

という文字を見つけた。
雫は鳥居に3回の根元浄めを施光してからくぐった。

確かにこの神社には、人霊さんが、かなり集まってはいたが、彼等が類を呼ぶことをしているようには雫は思え無かった。原因は外にありそうであった。

五島先生の自宅はこの近所なので、予告無しに2人で立ち寄ることにした。
途中の洋菓子店で、エクレアを手土産に買った。

「ピンポン」

「ごめん下さい。先生~。雫です。」

「おお、いらっしゃい。開いているよ、どうぞ。」

「お邪魔しまーす。」

「どうした? 急に!」

「これお土産です。いえ、上長尾稲荷神社の帰りについででして。」

「あっ、そうか、ついでか? 」

「違いますよ! 先生ったら、もう、、、。」

「ああ、これは旨そうだ。コーヒーを入れようかね。」

「お願いします。」

「訪ねて来たということは、何か話たいことがあるんだな?」

「さすが!先生ですね。」

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第二章 五節句の呪い


(1) 五節句の意味

エクレアを食べ、豆から轢きたてのコーヒーを飲みながら、雫から、上長尾稲荷神社の事件の話を聞いた五島が二人に言った。

「君達は五節句の本当の意味を知っているかい?」

「節句って何ですか?」

と、真ちゃんが聞いた。

「雛祭りとか、七夕とか、でしょう?」

「そう、皆んな喜んでしている行事のことだが、これが実は大問題なんだ。」

「何が問題なのですか?」

「あれは実は、この地球の管理神、竜体神界の長の地乃世界之親神様が、神界戦争に敗北して、争乱の責任をとられて、北海海底に隠頓されたが、その親神様を二度と復帰出来ないようにと、偽神達が人間を使って、嘘の理由、子供達が元気に育つようにとかと騙して習慣的に行事として行わせて、呪わせたことだったのだよ。」

「ウヒャー、本当のことですか?」

「そう、例えば、五節句以外にもあるんだ。元旦とか、節分等がそうだね、それに1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の雛祭り、5月5日の端午、7月7日の七夕、それに9月9日の重陽(じゅうよう)の五節句だね。」

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(2)下見調査

「それがどんな呪いなのですか?」

「元旦は、親神様の「腹わた」を雑煮にして喰らう、鏡餅は、親神様の「骨」を重ねて乗せる、人日はどんどまつりでさらに七草粥にして喰らう、節分は、鰯(いわし)の目を柊(ひいらぎ)の葉に「目刺し」にして親神様の目潰しをし、「煎り豆に花が咲く頃まで帰ってくるな」と親神様を「鬼」と見立てて「鬼は外、福は内」と呪文して豆まきをする。雛祭りは、「菱餅」を親神様の皮膚になぞらえて喰らう。
端午の節句はちまきを親神様の「弁髪」になぞらえて喰らう。
七夕はそうめんを親神様の「筋」になぞらえて喰らう。
重陽の節句は黄菊の酒水を親神様の「血水」になぞらえて飲む。
と言った具合に呪うことになるんだよ。」

「 そうだったんですか? 知らなかったなあー。」

「ところで、〆縄も問題があったんだよ。」

「どんなことですか?」

「〆縄とは実は、悪人を捕まえて縛る縄の名残りなんだ。」

「えーっ! そうなんですか!」

「神社とは牢獄で、鳥居はその門の変型だよ。昔は殺して神として祭るということを平気でやっていたんだよ。」

「恐ろしいですね!」

「平成9年の2月3日だったと思うが、我々神人は、神様の指導で、京都府亀岡の愛宕神社に入ったんだ。
丁度、節分の日だったね。
その神社には、親神様の一柱がもがいておられた。
話を訊くと〆縄が親神様を縛っているというのだ。
浄めをしてそれを解くと、親神様が『角ひとつ分のひっかかりが、これほどに苦しいとは・・・』と言われたんだよ。
つまり親神様の竜体の頭の角ひとつに〆縄が絡んでいて自由に動け無かったんだね。
神々様には、自分達だけでは、ものごとを解消出来ない神規が存在していて、必ず、神様と人間が一緒に事を起こさなければ、何事も解消出来ないんだな!。」

「先生!待って下さい。今、京都、亀岡の愛宕神社と言われましたね。」

「ああ、亀岡の愛宕神社に間違いないが。」

「実は、上長尾稲荷神社の石の鳥居に、「京都亀岡愛宕神社寄贈」と書いてありました。」

「エッ!それだ、その鳥居には親神様を呪う因が残っているかも知れないね。」

「先生、雫ちゃんは稲荷の赤鳥居は平気だったんですよ。」

「ああ、あそこの稲荷はもう居ないからね。
わしが散歩の途中に、神塩を撒いて、元遷り、させたからね。
かなり年寄りの、婆さん稲荷だったがね。
わしが散歩で通る度に注意して見ているから稲荷のことは、問題無いけど、石の鳥居のことは気づか無かったなあー。
そこに問題があるのは間違い無さそうだね。」

「稲荷のキツネは動物霊ですか?」

「稲荷とキツネは別物だ。いずれ何時か説明してあげるよ。」

「真ちゃん!話をそらさないでよ!」

「あっ、ごめん、ごめん。」

「先生、今から上長尾稲荷神社に行きましょう。」

「雫ちゃん、まあそう焦らないでいいよ。
鳥居は逃げないからね。
私も少し調べることがあるから、またの機会にしよう。」

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第三章 怨念の救済


(1)原因究明会議

またまた、飲み助のシンレイ捜査課長、本郷の意見で原因究明会議と称して、玉の井で翌日の夜会議が催された。

「今日の刺身はお美味しいね。何の魚だろう。身に甘味があるね。」

「女将!今日のこの魚は何ですか?」

と、飲み助代表の誠ちゃんが尋ねた。

「ハイ、今日のは、甘鯛です。皆さんが、おいでになるということで、板さんが、張り切って仕入れて来たんですよ。
今日はノドグロもありますが、煮付けと塩焼きとどちらがいいか伺って来てくれと言われていますが、いかが致しましょうか?」

「う~ん・・・どちらも旨そうだな。先輩どうしましょう?」

と、本郷課長が尋ねた。

「そうだね。どちらもいいね!ご飯のオカズには煮付けだろうけど、酒の肴には塩焼きの方が、いいかな!」

「それで決まりだ。女将!塩焼きで頼むよ!ついでに旨い糸島の冷酒も頼むね。」

「ノドグロって何ですか?」

「赤むつのことだよ、口からにぞくと、中ののどが黒いからそう言うんだ。」

「先生、例の怨念のこと何か解りましたか?」

と、雫が訊いた。

「ああ、祭事をやってみないと、本当のことは、解らないが、だいぶ、解ったことがある。」

「解ったことを教えてください。」

「昨日も言ったが、節句のことで、大本教の先人の王仁三郎氏によれば、艮の金神(うしとらのこんじん)を押し込めた神々、曲つ神とも言う偽神は、その屍(しかばね)を切断し、それぞれ五節句に配当して、神事、仏事ともに艮の金神調伏の儀式を行って来た。
正月元旦に飾る紅白の鏡餅は、国祖の骨、3月3日の蓬の草餅は国祖の皮膚、5月5日の菖蒲のちまきは国祖の弁髪、7月7日の小麦のそうめんは国祖の筋、9月9日の黄菊の酒水は国祖の血だと言っている。
それに鞠(まり)は国祖の頭であり、弓の的は国祖の目であり、門松は国祖の墓標だとね。
皇居の宮中儀式として、さらには公家さんたちの"遊び"として蔓延していた「蹴鞠(けまり)」が、親神様封呪の恐ろしい儀式であると知り戦慄を覚えるね。」

「恐ろしいことですね、で、未だに続いているのですか?その呪いは?」

「いや、我々神人が、旧暦、新暦の重複神業で、それぞれの日に祭りを済ませて、終わっているはずだが。
その証拠に親神様の別段に変じた大神様から、『向後は、3月3日 5月5日 7月7日 9月9日 11月11日 は十(とお)仕事(=神業)をすれば二十の結果になる』とご教示されたことがあったんだが、つまり節句のタテカエが了となった今日、転じて端吉の神縁日となり、その働きが倍加する、といわれているんだが、今回の件は、まだ何かありそうだ、現場で祭りをしなければ解らないだろう。」

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(2) 鳥居の因縁

吉日を見定めて、上長尾稲荷神社の正面の鳥居を北に見た場所で、神霊捜査課の一行は、祭りを施光した。先達は今回は五島が努めた。
雫が取り継ぎした内容は、

『我は白龍、親神変じた眷族神である。
我は京都亀岡の愛宕神社より、神霊として運ばれたものである。
幼い天皇の御霊を慰める為に遷座した。
安徳天皇は、ここで井戸に落ちて死去した。
当時の平家の警護の者達は、事件の重大さに、事実を封印した。
後日、壇之浦で入水した者は影武者である。
愛宕神社は平家の風水での火伏の護り神社であった。
安徳は、我愛宕神社で三つ参りをした縁で、後世に愛宕神社がこの鳥居を寄贈したのである。三種の神器の草薙の剣(くさなぎのつるぎ)も、ここで安徳天皇とともに白馬から落ちて、破損した。
故に壇之浦で見つからなかっはずである。
この神社はその事件の責任をとらされた者達と、安徳天皇の為に造られたものである。
その後、世乃元之神が殆ど活動を中止させられた時に、稲荷が神社を乗っ取った。
ここで数名の者に気付けをしたが、気づく者はおらなんだ。
幼子の思い、家来の思い、護れなかった神の思い等が幾重にも重なり、より思いものになりここで我とともに自縛霊となった。
その中には我等の親神様の〆縄に対する思いも入っている。
全て、本日の祭りで、元遷りが、叶った。
ありがとう。礼を申す。』

皆んなこの取り継ぎを聞いて仰天した。

この日の直会が玉の井でおこなわれた。

「さっき、インターネットで調べてみたのですが、安徳天皇は平安末期の紀元1,100年代の代81代天皇ですが、平清盛の孫で、高倉天皇と清盛の娘の建礼門院徳子との子供で、幼くして、2、3才頃に天皇となったようです。
源氏に攻められて、九州に逃げのび、太宰府を拠点にしようとしたようです。
その間にここで〆縄に引っ掛かり、白馬から落ちて、死去したのでしょうね。
歴史上では壇之浦の戦いに敗れて、乳母と伴に海に入水したことになっていますが、本当はここの井戸で亡くなっていたのですね。
三種の神器と言われる、天皇の証とされる神器の、八坂瓊曲(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)は壇之浦で発見されているのですが、後一つの草薙剣(くさなぎのつるぎ)は見つけられていません。
ここで壊れてもう無かったのですね。」

と、真ちゃんが伝えた。

「こんなことを書いて、警視総監殿は信じてくれるでしょうか? 僕心配だなー。」

「真ちゃん、心配するなよ。大丈夫だから、そのまま書いときな!」

ここの夜の料理には、アイナメの刺身に、渡りガニの茹物、蓼酢(たです)造りで、あった。五島は今夜は、鹿児島の芋焼酎白麹仕込みを半々の水割りで飲んでいた。

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《神霊捜査》第三部 〆縄の呪い

《おことわり》

この物語の登場人物、商店、会社名等は全て架空ですので、その事をお断りしておきます。

《神霊捜査》第三部 〆縄の呪い

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 第一章 殺人事件
  2. 第二章 五節句の呪い
  3. 第三章 怨念の救済