近未来小説「 Neo Border - The near future -」
The near future <AIの涙と世界ユール>024
「Shining Candy」8号機が可動を始めると、形勢は一気に反転し、"Neoborder G連合"の戦況が急激に悪くなっていきました。
「Shining Candy」8号機は南極をベースとして軸軌道上に<AI Ranラーン>が。
先の「Shining Candy」7号機は北極をベースに同じく軸軌道上に<AI Agirエーギル>が統制しています。
この2つの衛星は、今まで打ち上げられてきた他のタイプとは異なった構造で、はるかに高機能。
また、"国境システム「Neo Border Gateway」"の衛星ネットワークの司令塔の役割が与えられているため、 搭載されているこの各AIが、1号機~6号機を相互で制御し、 それぞれ軌道上を移動しながら半球づつの管理をはじめます。
そして共振エネルギーの基礎理論に基づいてつくられた、 新型の次世代エネルギーシステム「Cloud Energy System」も搭載され、 それまではClarke軌道上でのエネルギーシステム構築が主流であった"Shining Candy"の足かせをはずします。
つまりこの新しいエネルギーシステムは 地球という物体そのものとの密接なつながりと、 全「Shining Candy」相互の連携した自立可動を可能とした画期的なシステムなのです。
また、「Shining Candy」8号機が今回この衛星ネットワークにシステムに加わったことで "国境システム「Neo Border Gateway」"は完全体となり、 旧ネットワーク関連区域を利用しない、新しいネットワークが完成したことになります。
そして、「Neo Border Company」は
いよいよ完全に"国境システム「Neo Border Gateway」"を稼働し、 このシステムの総括責任者<AI Hrungnirフルングニル>の指揮のもと、AI領域での"Neoborder G連合"への総攻撃が開始されます。
これによって新ネットワークでのAI領域の戦線は、
「Shining Candy」8号機、「Shining Candy」7号機の神業のような連携で、 形勢が一気に逆転「Neo Border Company」側が一方的に勝利していきます。
また、現実世界で行われていた戦線も、空からの昼夜を問わない完全な監視体制により "Neoborder G連合"の行動が常に把握されてしまうばかりか、旧ネットワーク関連区域には未練の無くなった彼らは、 一気に主要関連施設の破壊にのりだしました 。
この背景には、人類へのダメージを嫌った「Neo Border Company」のCEO、Christopher Clarkeが更迭され、
新たに<AI Skrimir スクリミール>がCEO就任という秘密裡での人事がありました。
そしてこの瞬間、 現実世界での戦線拡大への抑止力は崩壊しました。
戦域は一気に拡大します。
・・・このままでは"Neoborder G連合"は各方面で戦線を維持できない。
しかし、有効な事態の打開策は見つかりません。
"Neoborder G連合"の会議において常に「「Shining Candy」が破壊できれば」と、小さく口にされましたが、 それは自分で自分の首を絞めるものであるということを誰もが周知していました。
「勝利の為」だけなら、なんとか 「「Shining Candy」を落とし、戦況を変えることができるかもしれません。 が、 その勝利の後に残ったものは、私たちが望んでいたものではまったくない
実際、人類にとって"国境システム「Neo Border Gateway」"も次世代エネルギーシステム「Cloud Energy System」も 正しく運用できるならば人類の未来のために不可欠なものであることは誰もがわかっています。 それに深刻な問題として、この衛星を破壊すればその影響で地球環境が異変を起こし、 人類へのダメージが始まることを<AI Heimdalヘイムダル>と<AI Freyaフレイヤ>が共にはじき出していたのです。 (この小説に詳しい方はおわかりですね^^)
近未来小説「 Neo Border - The near future -」