『 曲芸少年とA5な少女 』
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街中で芸を披露している奴が居た。
ははは、必死だな、アイツ。
ご主人様と手を繋いで歩く私を、ソイツは羨ましそうに見ていた。
ほらほら見なさい、私にはあんたみたいな首輪はないのよ。
セレブ、お嬢様、お姫様、まるで住む世界が違うの、分かるかしら。
「ご主人様、可哀想だからお金を投げてあげたいわ。良いでしょ?」
「ああ、良いよ。○○は優しい子だなぁ」
優しい優しい私は、沢山の札束を顔に投げつけてあげた。
まぁ、あんなに嬉しそうに尻尾振っちゃて。
飼い主も馬鹿みたいに喜んでる。
これだから庶民は可愛いのよね。
「さぁ、もう行くよ、○○。今日は大事な大事な用事があるんだから」
「はーい」
……はぁ、あんなのと同じ種類の生物ってだけで恥ずかしいわ、本当。
『 曲芸少年とA5な少女 』