好きならば-2-

-異常愛-
side kouyu
女って愛を求めるから嫌いなんだ。
昔っから女につきまとわれて、挙句の果てには家まで調べられた。ストーカーだ。
他にもまだ色々されたことがある。そこから俺は女を拒否るようになってきた。
まぁ、高3ということもあり、少しは恋愛してみたいなって思うようになってきている。
そこで見つけたのが蓮田夏帆。
下校する時は必ず東高の前を通る。この前もたまたま部活がなくて早く帰ったとき...
噂を聞いたんだ。夏帆の元彼という男とその友達。まだ顔は知らなかったが、その元彼という
やつの顔がそこそこだから顔は可愛いだろうなって思った。
噂というのは、単に蓮田夏帆が、愛を求める男が好き...ただそれだけ。
それだけだったのに、その噂を聞いただけで手に入れたいって思った。

―――
side natsuho
「屋上...?」荻野先輩に手を引かれて着いた先は屋上だった。西高の屋上だろう。
さっきまで東高にいたのに...
学校が近いため、わりと早く西高に着いた。
屋上まで行く道のりには、やはり学校内を通らなければいけない。
沙耶に聞かされていたより、顔がよくて、だからだと思うけどすごく特に女の人の視線が痛かった。
「あの...荻野先輩...?」「孝悠でいいから、荻野って他人行儀だし..」
「すみません。どうしたんですか?」「や..単刀直入に言うけどさ、愛がない人と付き合いたいって本当?」
「え...?」「....」「..本当ですよ。それがどうかしたんですか?」なんで孝悠先輩がこんなこと聞くのかが全くわからなかった。
「なんでか教えてほしいくて..なんで愛がない人がいいん?」女って愛を欲しいがるじゃん?と続けた。
「愛を欲しがる女って定番ですよね。あたし、その定番好きじゃないんですよ。
単純に愛を教えたいっていうのが理由なんですけどね」
「ねぇ、俺に愛を教えてよ」「へ..?」「駄目?御前の男のタイプが愛がない人っていうなら、それ多分俺のこといえる」
「駄目っていうか...なんか..」「何」「いえ、なんでもないです。宜しくお願いします...」
なんかよく分かんないけどOKしたのは口が勝手に動いた。なんでだろう?
遊ばれてるって思ったから断ろうと思ったんだけどなぁ...
でも、何故か愛を教えてって言われた時、少しその言葉にドキリとした。
あたしは出来る限りの全力を尽くして、孝悠先輩に愛を教えたいと思った。
                          
                                To be continued

好きならば-2-

好きならば-2-

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-20

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