いるかのほし32 やっとぼく!! 2

やっとぼく!! 2

 ピコに会えるめどは立ってきた。だって、前からだけど、ピコはワイハハ島が好きだったから。ワイハハ島には、昔にこのほしにやって来たあおいほしイルカさんたちもたくさんいるらしい。GGによると、言ってみればあそこは、とうめいいるかぼしの、あおいほし支部みたいなもんなんだって。ピコが自分から、そこに来てくれるんだから、きっとうまくいくでしょ。
 
 問題はポコ。気楽に旅行しない。クモク島に行ってきたばかり・・・・。絶対ワイハハ島は無理・・・・。どうやって、ポコに会おう・・・・・・。

 ぼんやりと考えていたその時、GGからのつうしんが入ったよ。

 「夫のアーチャ、アーチャに手伝いをしてもらうことになった。」

 へえ・・・・・。アーチャかあ。ふむふむ・・・・・。送られてきた、アーチャの情報・・・・・。
わあ、アーチャとポコってすごいね。それぞれに関わりの深い時空の歯車が、ちょうど65度の関係で、交差してるんだ・・・・・。

 それって、珍しいんじゃない・・・・?

 ちょうど、3週間違いくらいで、それぞれのタイミングのテーブルが関わりあう関係・・・・・・・。

 「この3週間のずれを、最大限に利用するとしよう・・・・。ポコへのちょっとした、ショック療法じゃ。こうでもしないと、まだまだ楽になれんようじゃからの・・・・。大丈夫。きっと、持ちこたえてひとつ壁をこえてくれるぞよ。そうしたら、カルイの出番じゃぞ・・・。」

 ・・・・詳しい説明はなかったけど、なにか見えないところのチームワークで、段取りの打ち合わせがされたようだったよ・・・・。

 へえ・・・。一人ひとり、オーダーメイドなんだね。すごいなあ。手間かけてるなあ・・・・・。

 「うふぉふぉふぉ・・・・・。そうじゃろ。わしらは、それはそれは気にかけておるのじゃ・・・。なんせ、こちらのことを知らんとこから出発して、だんだんに気が付くという段取りでやっておるからの・・・・。あっちからは、見えんのじゃ・・・。ちょっとやそっとのことでは、わからんようになっておる・・・・。」

 ふ~~ん。事情だらけなんだね・・・・・・。あおいほしとそこにすむいのちは、特別扱いかあ・・・・・。

 「まあまあ、やきもちはいけないよ・・・・。ふぉっふぉっ・・・・。」
  ・・・っていうか、GG、なんだか、笑い方ヘン・・・・。ほんと、こちらがわからは、つうしん状態によって、感じ方がかわるんだね・・・・。

 「さあ、では、最後の一押しじゃ。アーチャがうまくピコを連れてきてくれるじゃろ・・・・。」

 GGは、なんだか楽しそうだったよ。ぼくには詳しくは、まだ教えられないって言うんだけどね。

 でも、アーチャとピコ。なんて絶妙の組み合わせなのかしら・・・・。

 「おもしろい2人じゃな・・・。アーチャはアーチャの硬い殻を持ちながら、彼は彼なりの道を歩いておる。まずは殻をもつことから始まるあおいほしでのいのち・・・。その典型じゃな・・・。そこに関わるピコ。

 65度という、角度での交差は、お互い共感のタイミングは同じ方向を向かないのだが、共感からでは得られない作用をもたらしおる。事情とタイミングにおいて、ショック療法で、急いで脱皮しないといけないにんげんには、この組み合わせが採用されることがあるんじゃ。」

 「ねえ、GG。じゃあ、ぼくはいったいいつ、宿題をはじめればいいのさ?予習って、まだつづくの?」ぼくは、ケルプをかじりながらGGに訪ねたよ。

 「おまえさんには、では、そろそろ始めてもらおう。先に一人訪ねてほしいにんげんがおる。そこへ行ってもらうとしよう・・・」

 へえ・・・。わあい。やっと始まるね。ぼくの出番!!どんなにんげんかしら。ぼくは、ゴクンとケルプの固まりをのみこんだよ。

いるかのほし32 やっとぼく!! 2

いるかのほし32 やっとぼく!! 2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-04

CC BY-NC-ND
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