好きって気持ち
好きってなんだろう?
そんなことを考えてで片思いしあう二人を
両方の視点から見た話です。
学校生活~俺~
何だか君を見てるとドキドキするんだ。
近くに来るだけでもう僕の心は張り裂けそうで。
困らせたくなるよ、でもやっぱり助けたいなぁ
こんな気持ちは初めてだよ。
チャンスを探って声をかけよう!
さりげなくアピールしよう!
僕のことを君に知って貰えると良いな。
学校生活~私~
同じクラスになってから彼をずっと目で追ってる
そろそろ気づかれるかな?
気づいてくれるならそれでも良いかもな?
そんなことを考えてると胸が苦しくなるな
だって彼は絶対私を見てない!
むなしく切ない片思いになるのは嫌だな。
でもやっぱり諦められないんだよなぁ。
修学旅行準備~俺~
修学旅行の活動班決め
決め方はくじ引きなので一緒になる確率は20分の3
当たるかなぁ?当たって欲しいな!
一緒になったら1日班活動があるんだよ!
何か食べたり、街を回ったり、お土産選んだり
まるでデートみたい!二人っきりだったらだけどね。
当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ
・・・。
当たれ当たれ当たれ当たれ
当たったーーー!!
あ、冷静を装わなくちゃ。気づかれたら終わりだ。
でも凄く嬉しいな。楽しみだな。
早く修学旅行にならないかな。
修学旅行準備~私~
修学旅行の班が決まる日。
明日からの準備とかでもしかしたら近くに行けるかも。
今からドキドキしてきた。
おんなじ班になったらずっとドキドキしてそう。
おんなじ班じゃなくてもずっと目で追ってそう。
どうしようかな。楽しみだな。
なんてぼんやりしてる間にくじ引きで決まった。
彼と一緒だ!嬉しいな!
彼の方をちらっと見たら目が合っちゃった。
ばれちゃったかな。
ばれてた時の言い訳しか考えないようにしよう。
喜ぶのは家に帰ってから!
修学旅行前~俺~
班が一緒になってから話す事も多くなって
ついに彼女のラインアカウントを貰った!
がっつかないように、失礼もないように。
そんなこんなで最初のラインは送信するまで15分かかった。
既読がつくまでの間がもどかしい。
送信から15分位経ってから返信が来た。
絵文字がいっぱいあって凄い可愛い。
イメージともぴったりだ!
それから共通の話題も見つかり凄い上手く行ってるな。
それから学校でも今まで以上に話すようになって
頼られる事も増えた。
相変わらずドキドキしっぱなしだけど
心拍数が君に届いてたら恥ずかしいな。
修学旅行前~私~
今日は彼からラインが来た。
何か凄すぎ。長文&絵文字のオンパレード
私は何て返信したらいいんだろう。
普段の友達に送るメッセージみたいじゃダメだよね。
絵文字も使って、丁寧に、きれいな文にしなきゃ!
最近班が一緒になってから話す事も多くなって
さらに君の優しさに惹かれているよ
荷物持ってたらさりげなく持ってくれるし
かたずけ切れない仕事も手伝ってくれるの。
彼は仕事も早いし、気も配れるし、かっこいいし、
優しいし、話し上手で、多分女の子からモテるんだろな。
私なんて相手にもされなさそう。
今好きって伝えたら気まずいよね、班も一緒だから。
でも早く伝えたいな、片思いで終わりたくないな。
修学旅行移動~俺~
いよいよ修学旅行当日。
待ちに待った修学旅行。
バスに乗り込んだ。
自分の座席に座ると前の席は君だった。
バスも出発しこれから6時間もの間ここの席だ。
君の隣の人が羨ましい。
だって6時間も君の横に入れるんだよ?
出発してから1時間位経った後前の席も静かになって
移動中は寝ておこうと思ったのか寝始めた。
ずっと前の席に寄りかかってた俺はあ、寝たんだ位にしか思わなかった。
それから5分後位に前から寝息が聞こえる。
前を少し覗いて見ると窓側にいた俺に気づかず
窓に寄りかかって寝始めた。
君との距離はバスの背もたれ分まで接近した。
10センチ向こうには君がいる。
わずかな窓と座席の間からとても良い匂いがする。
君に見られてたらここまでは近くに行けないな。
もしかしたら気持ち悪がられるかもな
そんなことを考えながら残りの移動時間の
5時間一睡も出来なかった。
修学旅行移動~私~
修学旅行当日
昨日は楽しみ過ぎて全然寝れなかったよ。
君の近くに3日間もいれるなんて幸せだよ。
朝早くからバスに乗り込んで到着予定は昼間だった。
乗り込んで驚いた。君が後ろの席だった。
またドキドキしちゃうよ!移動時間長いのに。6時間もドキドキだよ。
乗り込んでからは隣の女の子と喋ってた。
後ろの人に話しかけたらどう思われるかな?
周りを見渡しても大体の人が隣か集団で話してて
その他は寝てる人だった。
後ろ向いて二人で話すのはドキドキしちゃうし。
昼間からはずっと話してても良いんだよね?
話していたいけど良いよね?
そう思って残りの5時間は寝ることにした。
修学旅行1日目~俺~
着いたぁ!結局一睡も出来なかったけど景色が良いと忘れさせてくれるよ。
周りは山、川、森や花。
そしてその自然の中ではしゃぐ君。
太陽と重なって君がまぶしいよ。
ホテルにも到着してその後はすぐご飯だった。
ご飯を食べて風呂入って部屋に戻ろうとして待ってたエレベーター。
女子と風呂のフロアは違うのにまさかの遭遇
しかも君と二人っきり。風呂上がりの君は可愛いすぎるよ。
ちゃっかり間違えたふりをして前の階を押す。
わずかワンフロア分だけど君と少しでも一緒にいたい。
君はそんなこと思ってないかもだけどさ。
ワンフロア稼いだにもかかわらずわずか30秒位だった。
「じゃーね、お休み。」
笑ってこういうのが精一杯だった。
修学旅行1日目~私~
着いたぁ!長かったバスの旅も終わってやっと目的地に到着!
ドキドキからは解放されない修学旅行になりそうだけど
楽しんで行こう!
ホテルにも到着してその後はすぐご飯だった。
ご飯の時までも君を目で追ってる。
これじゃまるで変態か変人だよ。
風呂にも入ってエレベーターに1人乗って考える
あぁ幸せな1日だったなぁ。なんてことをね。
すると男子フロアから乗り込んで来たのは彼だった。
彼も一瞬驚いた顔を見せたがすぐにいつもの彼に戻った。
何の話しも出来ない。自分は本当にダメだよね。
出ていく前に何か話さなくちゃ。
「今日は楽しかったね。ありがとー!」
彼は微笑んでうなずくと
「じゃーね、お休み。」
なんて笑って言うんだ。
また1人になってエレベーターで考える。
あぁ今日は凄く幸せな1日だったなぁ。なんてことをね。
修学旅行2日目~俺~
2日目の朝早くから起きて今日の街中を散策する準備をしていた
1日中街中を散策してくるというまぁ修学旅行の中ではかなりの一大イベントだ。
あと、1時間もある。早く時間が過ぎないかなぁ。
朝飯も体験学習的なのも済ませて、待ちに待った街中散策
午前11時~午後6時まである長い旅だ。
さっさとチェックポイント回りを済ませたことで早く昼飯を食べたかった。
ラーメン食べたい。
しかしラーメン屋さんの前に来て喧嘩が勃発
班の人の大半がパンケーキを食べたいと言い始めた。
パンケーキには女、子供が食べるものだと偏見を持っていた俺は
班員の男子が行くことに腹をたてていた。
ラーメンを食べたかったのに・・・。
しぶしぶ付いていこうと思ったその時
「私もラーメン食べたいな。2つに分かれない?」
やっぱり君はイイ人だ。ワガママいってるのは俺だけなのに。
班員もその案を採用し、二人だけでラーメンを食べに行くことになった。
「私もラーメン食べたかったんだぁ!
パンケーキとか甘すぎるんだもん。
こういう女の子は嫌い?」
全然関係無いよ。好きな食べ物なんて。
僕が好きなのは君なんだから。
「全然そんなこと無いよ」
笑いながら僕は言う。
やっぱりラーメンは美味しかった。
途中目が合ったり、色々あったが二人で笑いあった。
ラーメンを食べ終わって店を出た後、嬉しいかもしれない事件が起きた。
修学旅行2日目~私~
朝寝坊寸前で起きた私は寝癖も簡単にしか直せなかった。
朝ごはんで集まった時まで嫌われないかな?なんて思ってた。
「おはよう!」
朝からドキドキさせてくれるじゃん。
いよいよ修学旅行のメインイベント街中散策が始まった。
どこかで二人っきりになれたらな。
そしていきなり昼ごはんの時間で喧嘩が起きた。
ラーメンかパンケーキがで喧嘩だ。やっぱり男子って子供っぽい。
あれ?喧嘩してるの彼だった。ここは彼に付いて二人っきりになれるチャンス?
もう正直なんて言ったか記憶にないが採用され二人っきりになったことは事実だった。
あ、でもパンケーキ食べない女子っぽくない人は嫌いかな?
勇気を出して聞いてみる。
彼は優しいから思ってても言わないだろうななんてズルい事も考えながら。
ラーメンを食べ終わって集合地点に戻ると事件が起きた。
私は少し嬉しいハプニングにドキドキしていた。
修学旅行ハプニング~二人~
集合地点に戻ってしばらく班員を待った。
10分経っても15分経ってもくる気配はない。
しぶしぶ二人で迎えに行ったが班員の気配はない。
先生に報告するか二人で話したが先生に班でバラバラに行動してたことがばれると
面倒くさくなりそうだったので持ってきてた携帯でメッセージを送ったが
既読がつかない。
先生に報告しない事と読んだらすぐ電話する事と釘を差し
二人でどうするか決めた。
君は二人でいればどこでも良いよ?
というけどやっぱりある程度決めてはおきたい
彼は凄くサクサク決めてくれて頼もしかった。
二人っきりで回れるなんて幸せだよ。
周りから見たらカップルに見えるかなぁ?
それからアイスクリーム屋さん、お土産屋さん
二人でお揃いのキーホルダーも買った。
これを着けてたら誤解されそうだな。
でも君とだったら誤解されてもいいかな。
夕方日も落ちてきてそろそろ5時を回ったかな?
そのくらいに彼の携帯に電話が来た。
あぁもう終わりか。
悲しくなった。その場に座り込んだ。
すると君は嘘をついた。私にも聞こえる優しい嬉しい嘘
「結構遠くにいるから今から帰れば6時には間に合う。
6時前にホテルの前の商店街集合な?」
彼は優しかった。私の悲しそうな顔を察してくれたのかな?
「あとちょっとだけ回ろっか。」
君は手を差し出した。私は手を借りて立ち上がった。
ドキドキするあと1時間。もうこのまま時間が止まれば良いのにな。
修学旅行フィニッシュ~二人~
残りの時間は君と二人っきりの最後の時間
1時間は長いようで短かい。
あと1日あっても君となら短く感じるんだろな。
それにしても彼女は班員とした方が楽しかったのだろうか?
それとも僕と一緒でも楽しかったのかな?
楽しかったなら嬉しいな!
彼は優しかった。何で嘘をついたんだろう?
一緒にいれるのは嬉しいけど彼は嫌じゃないのかな?
私と二人でも楽しかったのかな?
君が隣で静かに笑ってる。
目が合うと笑っちゃうんだ。
戻る事も考えたら残り15分。夕焼けとちょっと夜景が両方見える時間だった。
ぼんやり眺めてた。彼も。
ぼんやり眺めてた。君も。
「そろそろ行こっか?今日は楽しかったね?
あ、あそこに皆がいるよ!」
おーいと叫ぼうとしてたのを私が後ろから抱きついて止める。
もうドキドキはMAX。胸ははち切れそうだ。
好きだよと言わなくちゃ。今しかチャンスは無いんだ。
「好きだよ。」「好きだよ。」
二人の声は重なった。
いつものトーンで彼は言う。そんで彼はやっぱり笑っちゃうんだ。
いつもみたいに君は言う。 やっぱり君は可愛いすぎるよ。
二人は唇を重ね、やっぱり笑いあった。
やっと気づけた君の気持ち
やっと気づけた彼の気持ち
やっと気づけた二人の気持ち
やっと気づけた好きって気持ち
好きって気持ち